朝野裕一
圧倒的なパワーとは〜モンスター井上尚弥の強さ
ブログ更新が1週間以上空いてしまいました。
ラグビーW杯の興奮が冷めやらない中、昨日のWBSSバンタム級決勝戦
井上尚弥対ノニト・ドネア戦は、さらなる興奮を感じさせてくれる今年
のベストファイトでした。
ドネアといえば、ボクシングファンなら誰でも知る5階級制覇のレジェ
ンドクラスの選手です。
最盛期はやや過ぎたかなと思う36歳ですが、昨日のコンディションは
最近の彼の状態としては最高のものだったと思います。
なので、
さすがにモンスター井上尚弥選手も苦戦しました。
なにしろ、
いつどちらのパワーのあるパンチが炸裂するか、目が離せない緊張感の
ある試合でした。
ここでパワーと言いましたが、それは力の強さを想像させます。
スピードかパワーか?どちらが勝るか?という言い方はよくボクシング
のパンチなどでも使われます。
しかしこれは、物理学的には正しい比較にはなりません。
物理学的には、
パワー=スピード×力となります。
(パワーは仕事の効率;単位時間あたりの仕事量;を表す言葉です)
つまり、
パワーの要素の一つがスピードということになります。
先ほどの式からすると、
スピードが速ければパワーは大きくなりますし、力が強ければこれも
またパワーが高まります。
スピードと力(strength)どちらの要素を高めるか、はトレーニング
などにおいて考えながら行われるものです。
スピードかパワーか?という時のパワーは、力の強さをイメージする
ので力の要素のことを実は言っている、と考えればいいでしょう。
さて昨日の闘いでは、
井上選手のスピードの方がドネア選手よりも勝っていました。
力の要素で言えばむしろドネア選手の方が上かもしれません。
ですから、
ドネア選手のパンチもすごく怖い、一発で仕留めることのできるパワ
ーのあるパンチです。
しかし、
井上選手のスピードの速さに伴うパワーの方が結果的に勝っていた
と言うこともできるでしょう。
井上選手の圧倒的なパワーはどちらかと言えばそのスピードの速さに
よるものということです。
もちろんパンチの効果は、パワー(スピードの速さ・力の強さ)だけ
ではなく、パンチを繰り出すタイミングやパンチを当てる部位、その
正確性なども必要な要素です。
その上で、
圧倒的なスピードに伴うパワーこそがモンスター井上尚弥選手の一番の
武器ではないかと思います。
そんな、身体が繰り出すエネルギーとか外に行う仕事というものを、
物理学的な視点から見てみることも、意味のある少なくても損はない
ことだと思います。
これから井上尚弥選手はどこまで行くのか?本人が言うように誰も見た
ことがない世界へ、我々を連れて行ってくれることをとても期待します
ワクワクしますね!
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次回に。
