• 朝野裕一

健康情報リテラシー4

NHK-BS世界のドキュメンタリーシリーズはよく観る番組の一つです。

先日は大変興味深いものをやっていました。ダイエット商法に関して

フェイクを仕掛けその結果を示した「チョコレートで痩せる?」です。

ドイツで作られた実に巧妙なフェイク番組、いやフェイクを仕掛けた過

程を示したドキュメント番組です。

それによっていかに我々が医学や栄養学、統計学にマーケティングなど

を駆使して提供された情報に惑わされるか?見事に描いています。

こんなことが実態??とびっくりもしてしまいます。

チョコレート(彼らはダークチョコレートと称しています)を食べる

だけでリバウンドなしに痩せられる、という偽情報をいかに本当らしく

広めるか、あらゆる方法を取り入れてそれに挑戦したのち、現状の健康

情報の実態を問題提起しています。

まずは、科学雑誌に論文を載せてもらうことから始まります。

そのための実験を行います。被験者を集めて3つの群に分けます。

3週間の期間をかけて、初めと終わりには血液検査や身体の計測等々、

期間中あらゆるデータを集めます。

3群は、何もしない群(対照群と呼ばれます)、低炭水化物の食事のみ

の群、低炭水化物に加えてチョコレートを毎日食べる群です。

詳しく書くと長くなりますが、データはきちんと取った上で、恣意的に

変化が大きく出る時期を選択し、それを解析する統計学の方法を選び、

まるでチョコレート群(としますね)に効果が優位にあったように

データ解析をして、科学雑誌に載せる前段階のサイトへの掲載を実施。

ある程度お金を払うことで科学雑誌に論文を掲載してもらったり、

まるで一緒に研究をしたかのよう載せてもらえることが実は結構行わ

れている事実も暴露されています。

ここまで暴くことができているのもすごいなと、感心しきり。そして、

見事に科学専門雑誌への掲載が決まります。次に、自分たちの団体を

(非営利団体として)立ち上げてホームページやブログ、フェイスブッ

クなどによる情報発信をします。さらには、効果のほどを宣伝してくれ

るモデルさんをたった15ドルで雇い(このモデルさんは色々なダイエッ

ト法の宣伝画像に出演しています)、歌やchocolate transformation

なる標語まで作りキャッチーに宣伝していきます。

マーケティングですね。

マスコミにはプレスリリースを流しますが、ここで科学雑誌に掲載され

ている事実が効いてきます。当初の作戦通り、元の論文を当たってみる

ことなく、プレスリリースの内容をそのままマスコミは世に流します。

作戦大成功!!ダイエットではありません。偽情報が世に信じられる

過程を証明することに、見事に成功したということです。

この企画は、健康情報の危うさを指摘する医師や栄養学者、論文査読者

の協力があってできたことでした。

いかに私たちが偽情報あるいは似非科学情報に惑わされやすいか、マス

コミがいかに内容を吟味せずに情報を世に流布するか、とても考えさせ

られる番組でした。科学の仮面を被った危ない情報をどう見分けるか、

そのことがいかに困難かも、感じました。

いちばんの問題として企画者が述べていたのは、世間に広まる段階で、

マスコミなどがその正否を検証していないことだとしています。

一旦流布された情報はなかなか反証しづらく、信じ込まされやすいか

を問題視していました。まだまだ他にも問題は内包されていましたが、

今日はこのくらいにします。

健康情報をきちんと精査するリテラシー(読解力)が必要ですね。

いつもお越しいただきありがとうございます。ではまた明日。