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朝野裕一

運動よもやま話3

運動制御のことについて書きます。

運動がどうやって神経の信号を捉えて筋肉などを収縮させ、外に影響を

与えるか、と運動制御を捉えます。

いきなり堅い話ですが、しばしおつきあいをお願いします。

そもそも生きている以上はなんらかの動きを重力という制限の元で行う

のが人間です。前にも書きました。

動くのは何か目的があるのでしょう、きっと。無意識な貧乏ゆすりなど

もありますけれど。ここは、それらを一旦省いて考えますね(生理的な

意味はあるのかもしれませんが)。

目的のある行動は課題という言葉で表されます(この学問分野では)。

そして動く主体を個体と呼びます。

しかし、課題を遂行するために動くにしても、周りの状況=環境の要素

を無視して動く訳にはいきません。

この、個体・課題・環境の3要素を考慮して初めて運動制御を語れると

いうことです。う〜ん難しい!?

卑近な例でそれを説明してみます。

“連休明けの月曜日、仕事再開の日、目覚ましで起きたその日暮らしの

日暮(ひぐらし)クンは、慌てて起き上がり、顔を洗いに洗面所へ、

そこに昨日飲んだ一升瓶の空きビンが!思わず踏みそうに!バランスを

崩しそうになって一安心”、ふーっ!朝から一悶着になるところでした。

ここでの個体は日暮クン、起きて洗面所まで歩き危うくバランスを崩し

そうになってバランスを回復、転ばずにすんだ。この一連の動作が課題

、床に転がっていた一升瓶が環境(床も含みます)。

あんまり面白い例じゃなかったけれど、続けますね。

これら3要素がそれぞれ影響を与えあって、初めて運動制御が語れる

ということです。

各単体(個体なら個体内のこと)でも語ることはできるのですが、

結局なんのための運動・動作・活動か?が問われないと、生活場面での

運動の不自由さなどの改善には至らない、少なくとも実践的に至りづら

い、ということになりますよね。

今日はここまでにして、続けて一緒にちょっと勉強してみませんか?

お越しいただきありがとうございました。また明日お会いしましょう!

参考図書)

「モーターコントロール」第4版〜研究室から臨床実践へ〜

(Anne Shumway-Cook, Marjorie H. Woollacott・著、田中繁・高橋明 

監訳、医歯薬出版、2013年.)

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