top of page
朝野裕一

運動のスキルとは

運動のスキルとは一体何を指すのか?考えてみましょう。

その前に、

運動を分析あるいは評価・判断する際にどういう視点で見るのかを、

確認していきましょう。

主に三つの視点が考えられています。一つは、姿勢制御の点、二つ目

は、移動運動の点、さらに、操作運動の点が挙げられます。

これらの点から、運動の基本的(基礎的)なスキルが挙げられます。

姿勢制御の点では、身体の軸を曲げる/伸ばす、ひねる/回す、振るなど

です。移動運動の点では、歩く/走る,、跳ぶ/跳び越す、ホップする、

登る、滑る、スキップ/ギャロップするなど。

操作運動の点では、ボールを転がす/投げる/蹴る/叩く/打つ/ボレー

する/弾ませる、ボールなどを受ける/トラップするなどです。

この基本的なスキルの上位に、専門的(応用的)なスポーツやダンス

、ゲーム、レクリエーションのスキルなどが位置付けられていきます。

野球を例に取り上げると、ボールを投げたり受けたり、打ったりする

技術(スキル)が野球固有のプレーに生かされてきます。

運動のスキルとは、運動のコントロール(運動制御)が強調され、その

他の無関係な動きは制限されます。それで、正確で精緻な滑らかな動き

が一連の動作となって現れます。

基本的(基礎的)なスキルは、2つあるいはそれ以上の身体部分の運動

パターンの組み合わせでできている、一連の運動のまとまりです。

身体をひねったり、向きを変えたり、走ったり跳んだり、ボールを

打ったり投げたりといった基本的動きのことを指しています。

子どもは成熟するにつれ、小さい時に獲得した基本的スキルを応用する

ことができていきます。

専門的(応用的)スキルは、スポーツやレクリエーションだけでなく、

日常生活場面で使われる1つあるいはいくつかの基本的なスキルの組み

合わせからなります。

身体をひねってボールを打つ動作は、水平方向では野球のボールを

打つことにつながり、垂直方向では、ゴルフやテニスのサーブなどで

応用されていきます。

先に述べた運動パターンというのは、単純に一連の組織的なまとまり

を持った運動を意味していて、その正確さやコントロール、精緻さより

は、個々の動き自体が課題となります。

一方で運動スキルといえば、動きの正確さやコントロール、精緻さが、

求められています。

運動発達的視点では、運動スキルの発達は、その結果であるパフォーマ

ンス以前に、それを習得していく過程に焦点を当てる必要性があると

言われています。特に小学生(12歳くらい)までに身体成長以前に

神経系の発達が促進されるので、この時期のスキル習得が重要なタイミ

ングとされています。

次回は子どもの体力向上についてお話しします。

今日も読んでいただきありがとうございました。ではまた明日。

(参考図書:「幼少年期の体育 発達的視点からのアプローチ」

デビッド・L・ガラヒュー 著、杉本隆 監訳、大修館書店、1999年)

閲覧数:23回0件のコメント
bottom of page