子どもの体力について
子どもの発達段階における体力については、適切な定義が難しいとされ
ています。それは、個人に必要とされる体力の水準が、必ずしも他の人
と同じではないためです。

一般的・包括的な体力の定義としては、極端に疲労感を持たずに日常的
な行動を行い、レクリエーション活動や緊急時に必要な行動を行うのに
十分なエネルギーを持つ能力と考えられています。
体力にも主に二つの種類があり、一つは、健康関連体力と呼ばれるもの
です。これは筋力、筋持久力、全身持久力、関節の柔軟性、身体組成、
などからなります。
これらは能力やスキルとは異なり、生きることに関わる相対的な状態で
変化しやすく、遺伝にある程度依存する部分があり、運動競技のスキル
と直接的な関係はないとされています。
また、
負荷に応じた生理的な適応として、高まるものと考えられています。
使用・不使用により、容易に変化もします。

もう一つは、パフォーマンス関連体力で、スキルに関連した体力を指し
、身体のバランス、協応性、敏捷性(agility)、スピード、パワーなど
からなります。
パフォーマンス関連体力は、一般的な生来の能力ではなく、ある特性で
あり、生まれながらの才能であるという説は学術的に否定されていると
いうことです。
こちらの方は、競技のスキルとも密接な関係があります。遺伝の影響は
、潜在能力という点から影響がないわけではありません。

特にスキルとも関連のあるパフォーマンス関連体力について、次回は、
もう少し詳しく述べることにします。
本日も読んでいただきありがとうございます。ではまた明日。
(参考/引用図書:「幼少年期の体育 発達的視点からのアプローチ」
デビッド・L・ガラヒュー 著、杉本隆 監訳、大修館書店、1999年)