座る人/座り方 総括
ここまで色々な座り方や座る人を見てきました。
ここで総括してみましょう。
<座り方/立ち上がり方は様々な条件で変わってくる>
単純に座ると言っても色々で、ここでは主に椅子に座ることを考えてき
ました。
ー椅子自体ー
当然椅子の形状などの条件が、座り方をある程度まで規定します。
椅子の条件とは? これも色々ありますね。
●椅子の高さ・・・ 相対的に低い椅子ほど立つのに苦労します。
低い椅子は、重心をより上へ移動しなければならないので、その分
仕事量が増えます。
=ここでちょっとおさらい=
(椅子からの)立ち上がり動作は、物理学的に重心を前に・上に移動
する仕事をしています。
では、
椅子の高さが高ければ高いほど立ちやすいか?概ね YES なのですが、
高すぎて足が床に付かずに浮いていると、まず足をつける動作が一旦
入ります。場合によってはバランスを崩すこともあるかもしれません。
でも、
高い(値段じゃありませんよ、念のため)椅子ほど、立ちやすいと
言えるでしょう。
●椅子の形状・・・背もたれの有る無し、肘掛けの有る無しによって、
それを使う使わないが決まり、背もたれが有る方がより安楽に、
肘掛けが有る方が(それを使う;手を使う)立ち上がりやすい、
と言えます。
中には、背もたれやデザインによっては、安楽すぎるために、立つ時
は余計な仕事を要するということもあります。
ー足を置く位置ー
足をどこに置いているか;身体に近いのか・遠いのか?によって、
立ちやすさは変わります。
●足が比較的近い場合・・・重心を前に移動する距離が縮まるので、
その分立ちやすくなります。
●足が比較的遠くにある場合・・・近い場合の逆で、重心をより前に
移動させなければならない分、仕事が増えて立ち難くなってきます。
ちなみに、
足をどこに置くかはもちろんその人次第なのですが、椅子の形状や
周りの環境などによって、変わってくることもあります。
ー立ち上がるスピード(速度)ー
その時々で、急いで立つあるいはゆっくりと立つ、といった違いがあり
ますね。これは状況・その人の身体能力にも関係してきます。
●急いで立つ場合・・・例えば、何か用事を足している時に突然電話が
鳴って、急いで立ち上がる時などがあります。
この場合、
重心の前への移動をできるだけ短く小さくして、上への移動を速く
行う動きになります。
下肢や体幹の筋力が極端に弱い人などは、速く立たないと立ち上がれ
ないこともあります。
=ここでちょっとおさらい=
立ち上がり動作を一つの物理的な仕事とみなしたとき、
仕事率(1秒間に行う仕事の量;仕事の効率)=動く速度×動かす力
となります。この場合の力は主に筋力とみなします。
まだ続きますが、今日はこのくらいにして、ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
また明日お会いしましょう。