• 朝野裕一

体幹を鍛えるにあたって;その二

体幹を鍛える、その二です。

昨日、鍛えるという言葉の定義を、

「(鍛える)部位の動きをスムーズに、できるだけ広い範囲で、

自分の思う強さで、制御しながら動かすことができるようにする」

としましたが、もう一つ加えておきます。

それは、

「その部位を安定して保持することを保証する」です。

昨日は、関節運動の可動域についてお話ししました。

今日は可動域と混同されがちな可動性について考えてみます。

ある程度動きの範囲が拡がった、あるいは維持されているとして、

その次に考えなければならないのは、自分でどこまで容易にその範囲

を動かすことができるかだと思います。

可動域の中でも自動可動域と呼ばれる範疇に入り、それがどれだけ

スムーズ(楽)に動くかが可動性と(私は)捉えています。

〜外側の力を借りて動く範囲は他動可動域と定義されます〜

自動可動域は生理学的可動域(≒physiological movement)とも言われ

他動可動域は解剖学的可動域(≒anatomical movement)と言われます

自動可動域は、

神経信号に伴う筋肉の収縮によって動く範囲を示します。

一方他動可動域は、

他人の手や重力など、外力によって動く(動かされる)範囲です。

一般的に、他動可動域の方がやや自動可動域よりも大きくなります

(他動可動域 ≧ 自動可動域)。

さて、

可動性ですが、自動・他動可動域に関わらず、それがいかに容易に

達成できるかの要素を考慮された言葉と(私は)解釈しています。

ここで関節の可動域とその構造や構成物について説明しておきますね。

関節の周りには、関節を包む関節包や安定性を保証する靭帯、筋腱

を安定させる支帯(靭帯の一種)などの非収縮性組織

(それ自体が収縮しない組織)と、

筋肉:収縮性組織(それ自体が収縮性を持つ組織)と腱(それ自体

は収縮性を持たないが筋の収縮に伴い伸縮する組織)、

さらには、神経(も自分で収縮はしません)が存在しています。

〜関節はその形状によって安定性が異なります。その形状自体が

可動域をまず限定します〜

これらの組織が、関節の動きと安定性を補償・規定していくわけです。

比較的可動範囲の大きい関節は、肩関節や股関節などの球状の形

をした関節です。膝関節も球形ではありませんが、一方向に非常に

大きい可動域を持ちます。

それは、手足を大きく動かすために必要だからです。

一方、

脊柱などの関節は一つ一つは決して大きな可動域を持ちません。

それらがいくつも重なって全体としての可動域を持ちます。

骨盤にある仙腸関節などはほとんど可動しない関節です。

簡単に大きく動いては困るからです。安定性の役割が大きい証拠です。

動きが大きいことと安定性を保証することは、トレードオフの関係に

あります。

動きの大きい関節は、その分様々な靭帯などによって補強されています。

さてさて、

可動性のお話をする予定が、その前提となる話だけでももうちょっと

かかりそうです。今日はこのくらいにして明日に続けますね。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日〜。