• 朝野裕一

2次元で生きる人

3次元、2.5次元のお話をしていましたが、2次元、つまり床を

這いながら移動する人のことについて今日は書きたいと思います。

2次元=床の上での生活です。

日本人は特に畳の生活を長い間続けていて、室内には靴を脱いで入る

習慣のため、床の上に寝転がったり、座ったりしての生活は比較的

今でも日常茶飯事と思います。

ちょうど次元のお話をしてきたことと、昨日(11月27日)NHK Eテレ

で放送されていたハートネットTVを観ていて〜その日は、障がいを

持った人たちによる劇団「態変」の特集番組でした〜

主宰の金滿里さんが言っていたことに感じることがあって、床での

生活について考えてみようと思いました。

「人というのは二本足で歩いて移動することが当たり前、そのこと自体

が歩けない障がいを持っている人にとっては、存在感を否定された気

がする。」と語っていました。「踏みつけられている感じ」とも表現

していました。

人類学的には、直立二足歩行が現人類の一番の特徴、と今まで私も書い

てきましたが、先ほどの言葉に返す言葉があるかというと・・・

それはそれと、簡単に片付けることはできないなと思いました。

健常といわれる人々にとっては、踏みつけている感覚など微塵もない

かもしれないけれど、床に這いつくばっている存在と考えた時には、

踏みつけられているという言葉に象徴されるような差別感を実感して

いるんだという、少なくともそう表現する人がいるというのは、

ある意味ショックなこと(言葉)でした。

劇団の公演は、

まさしく床の上にいる彼らが、彼らにしかできない動きを見せて表現

にまで昇華するものです。

日常に振り返ってみると、

通常は車椅子での移動をしている人たちにしてみると、ちょっとした

高さのものに手を持って行くことすらできない状態になります。

立つことで届く高さは、まさしく3次元を感じさせる障害ともなる

わけです。

立つことのできる人でも、床から立つ動作は一番物理的に仕事を要する

動作になります。

重心の位置が低い分、上に移動する距離は大きくなり、椅子から立つ

よりも/大きな仕事が必要になり=仕事量が増え/ます。

2次元の生活についてもう少し考えてみましょう。

それは、世界観の違いです。

つまり、

目線が低くなる分、見える世界が変わってもきます。

車椅子で自動販売機に目をやると、一番上の商品はよく見えません。

それに配慮して、料金挿入口や商品が車椅子目線でも見えるように

した自販機も、時々見受けられるようになりましたが、標準にはまだ

なっていません。

常に人を見上げながら人混みの中を行くことも、二足歩行をしている人

には想像がしづらいものでしょう。

ですから、

しゃがんだり膝間づいたりして、必ず目線を同じ高さに合わせて話す

ようにすることが必要です。

床上となると、お互い寝転がって目を合わせることになりますね。

床上を移動することも容易ではありません。床に接している面積が

広いので、それだけ床との摩擦力がかかり、動くのに多くの仕事を

必要とします。

寝返り一つとっても 、実は決して楽ではない動作です。

赤ちゃんでも寝返りを習得するまでに、約5ヶ月を要します。

2次元で生きること、今後も少し想像してみましょう。

今日はこのくらいにして、この辺のことはまた明日お話ししましょう。

今日も読んでいただきありがとうございました。また明日。