肩こりは改善する?!〜Journey to the Exercise World:Vol.3 解説編 (続き)
昨日は。
肩こりが起こる仕組みを簡単に(でもないか?)お話ししました。
今日はもう一度まとめつつ(大丈夫かな?)、肩こりに対処する方法は
色々あれど、どうして効くのか?効かないのか?などについても、
言及したいと思います。
まずは昨日のまとめ+αから、
☆肩こりと作業姿勢は関係ありそう
☆肩こりが起こる筋の代表は僧帽筋
☆肩こり=筋の硬結と考えられる
☆筋硬結は筋繊維のブリッジが外れない状態
☆筋の弛緩にはATPが必要
☆ATPはグリコーゲンが酸素と結びついて産生される
(酸化なしでもATPは産生されるが、限りがある)
☆酸素供給は血液から(血流)
というわけです。
では、
血流が滞る原因はなんでしょう?
一つは、筋の収縮がズーッと続いている状態です。
収縮によって筋繊維内の血管が押しつぶされて、血流が滞ります。
もう一つは、伸長(引き延ばされる状態)がこれもズーッと続く状態。
やはり筋内の血管が圧迫さて、血流が滞るいわば渋滞状態です。
左の姿勢では僧帽筋の上部が常に収縮状態、菱形筋は逆に常に引っ張ら
れている状態 です。
二つの筋肉をおさらいしておきましょう。
猫背では、肩甲骨が外側に行ってしまうので、結果的に菱形筋が伸長
されることになります。
血流が途絶えると、ATP供給が低下し、カルシウムイオンが停滞し、
筋繊維のブリッジ(アクチンとミオシンからなる)が外れなくなり、
筋硬結が起きる、という具合です。
結論
☆こり=筋硬結は筋周囲の血流低下から起きると考えられる
血流の低下が肩こりを起こすとするならば、凝っている筋肉の血流を
上げる(増加させる)ことができれば良いんじゃないの?
さて今日のお題は、ここからです。
まず、
肩こりに良いとされる対処方法にはどんなものがあるでしょうか?
◇マッサージ
◇温熱療法(温める)
◇電気(低周波など)・磁気?治療
◇ストレッチ
◇筋肉の収縮ー弛緩の繰り返し運動
◇全身運動(各種体操など)
◇姿勢矯正 など
まだあるのかもしれませんが...
さて、これらを血流が改善する観点から見ていきましょう。
まずは、マッサージ。
確かに筋硬結のある部分を中心にマッサージを施すと、一時的ではあれ
気持ちよくなり“こり”がほぐれた感がありますね。
物理的な力を外部から筋へ直接与えることによって、滞った血流を改善
することは可能でしょう。
硬結していた筋肉が柔らかくなり“こり”がほぐれる感覚は、
やられた本人も施術している当人も、感じることができます。
ただ気をつけたいのは、あまりに強い力で一部分に集中して行うと、
いわゆる“揉み返し”という状態が訪れて、かえって辛くなる時がある
ことです。
どうして、そんなことが起こるのでしょうか?
筋肉は筋繊維がもろに露出しないように筋膜という膜で覆われて、
保護・支持されています。
この部分と筋繊維との間で摩擦が起きると、軽い出血などが起こり、
施術後炎症状態を呈してしまいます
私自身よく自己マッサージをした後に皮下に出血の後のかさぶた様の
痕跡を認めることがありました。
一点集中の強いマッサージは要注意ですね。
※最近は、筋膜自体の癒着(組織がくっついてしまう状態)がそもそも
の“こり”の原因の一つとも言われています。
筋膜は全身に張り巡らされているため、組織の保護と支持さらには、
力の伝達の役割も担っているので、非常に重要な組織だということが、
再認識されてきました。
筋膜のストレッチがその対処方法として指導もされています。
何れにしても癒着部分の血流が滞ることによる硬結という意味では、
血流の回復が大事であることに変わりありません※
今日も長くなってしまいました。
温熱療法以下の効用などについては、明日以降にしたいと思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。