• 朝野裕一

肩こりとストレッチ〜Journey to the Exercise World:Vol.3 解説編 4

肩こりの対処法のひとつにストレッチがあります。

しかし、以前のブログをお読みになった方はここであれ?

と思うはずです。

というのも、菱形筋のところで指摘したように、伸長されることに

よって、血流制限が起きるとお話ししたばかりだからです。

でも、

ストレッチって筋を伸ばすんでしょう。ならば血流制限を益々増長させ

てしまうのでは?という疑問が湧いてきます。

この辺を今日は補足します。

ストレッチといっても色々あるのですが、大まかにどのくらいの時間

続けて筋を伸ばしていたらいいのでしょう?

実はあまり客観的な答えがクリアに出るわけではありません。

一般的には、30秒くらい続けてゆっくりと伸ばしてから緩める、

という繰り返しだと思います。

あまり短い時間だと、ストレッチ効果が出てきません。

そもそもストレッチの効果はなんでしょう?

一つには、ゆっくり持続的に伸長させることで、筋肉の緊張を低下

させて、緩めることです。

と同時に、いつも行うことで筋の長さを保ち(短縮させずに)、

関節の可動域を確保することです。

これは筋肉だけではなく、その先にある骨との接合部の腱も関係して

きます。

筋肉や腱の中に長さを感知する筋紡錘や腱紡錘(ゴルジ腱器官)と

言われるセンサーが存在しています

筋肉や腱が引き伸ばされると、その力を感知して筋肉の緊張度を調節

する仕組みになっています。

素早く伸ばすと、筋紡錘や腱紡錘が筋肉を緊張させる信号を出します。

これは、急激な伸長によって筋肉が損傷しないように、防御する役割

を担っています。

ですから、ストレッチで筋肉を緩める(リラックスさせる)ためには

急激な伸ばし;勢いをつけたやり方ではなく、ゆっくりと伸ばす方法

をとる必要があるわけです。

急激に伸ばすとかえって筋肉は緊張してしまいます。

逆にゆっくりと伸ばすと、筋肉が緊張し続けているとこれまた筋への

伸ばす力が過剰に働き、損傷を起こしかねないため、今度は緩める信号

を出してくれます(筋紡錘や腱紡錘から)。

さて、筋の伸長時間(連続で伸ばしている時間)ですが、先ほど大体

30秒くらいずつ行うと言いましたが、時間設定は色々です。

多くの研究がなされていると思うのですが、せいぜい長くても一回に

5分間くらいでしょうか?

そうすると、

筋の緊張が解けると同時に、血流が増すこともわかっています。

これが“こり”に効くと言われる理由です。

ただし、その効果はあまり長続きはしないとも言われています。

確かに、筋肉が緩みっぱなしになってしまうと、いざという時に

動こうとして思うように力が入らなくなる、なんてことになります

から困りますよね。ちゃんとそうならないようにできているわけです。

さてここからが本題です。

では、

長時間デスクワークなどで背中を丸めていると、背中の肩甲骨の間に

ある菱形筋は伸ばされると言いました。肩甲骨が外側に引っ張られて

しまうからですが、それでなぜ、ストレッチ効果のような血流改善が

認められないのでしょう?伸ばされているというのに?

要は伸長され(てい)る時間の問題だと思います。

ストレッチ(研究条件においても)は、先ほども述べたようにせいぜい

連続5分間。

作業姿勢の場合はどうでしょうか?

多少動くとしても同じ姿勢で30分、1時間などはザラかもしれません

下手をすると何時間も同じ姿勢で座りっぱなしなんてこともあるかも

しれません。

そうなると、筋繊維の間を通る血管は圧迫され続け、結局血流低下に

繋がるのと考えられます。

それが“こり”という状態になってしまうということです。

ですから、昨日書いたような肩の周囲を(全身でもいいのですが)、

動かしたりして、家に帰っても“こり”が残っていれば、シャワーで

お湯を“こり”の部分に当てて(温熱とマッサージ効果を兼ねて)、

全身の簡単な体操や特にこった部分の筋肉をストレッチしてから寝る

というのが、セルフケアとしては一番お勧めかなと思います。

もちろん、馴染みのマッサージ屋さんに通うこともあるでしょう。

それをやめる必要はないと思いますが、それ以外に自分で予防も兼ねた

対策を行うことも大事でしょう。

以上で思いの外長くなってしまった、“肩こり”についての解説を

終わります。お付き合いいただきありがとうございました。

みなさんスッキリとした気分で仕事や作業に従事できるといいですね。

今日も読んでいただきありがとうございます。ではまた明日。