足首ってどうして硬くなるの?
更新日:2020年10月1日
足首=ここでは足関節=距腿関節のことを指します;のストレッチ。
そのお話の前に、そもそも足首が硬くなるとはどういう状態で、
なぜ起きるのか?についてちょっと考えてみたいと思います。
足首が硬い人の多くは、足首が上がる動き(結果的に爪先が上を
向きます)に制限が生じている状態です。
もちろん、
その逆の方向に硬い場合や、両方とも硬いという場合もありますが、
ここでは、足の先が上を向く=足関節の背屈方向の制限の話をします。
そもそも足首がどうして硬くなるのか?は、色々あると思うのですが
他の関節の可動域制限同様、動かさないでいるから、正しく動かして
いないから、その結果として生じると言ってもいいでしょう。
ではまずなぜ、動かさないですませられるのでしょうか?
その一つに生活場面での習慣があると思います。
子どもの足首が硬いのはなぜ?和式便所がなくなってきたから、
しゃがむ場面が少なくなってきている、という考え方もあります。
実際わざわざ、
和式便所を取り入れている高校野球部の合宿所もあるくらいです。
和式便所以外にも椅子での生活が多くなり、地面や床にしゃがみこむ
場面は日常的に減っているのかもしれません。
また、特に女性の場合ヒールの高い靴ばかり履いていると、足首が
履いている間は常に底屈位(足首・爪先が下に向く状態)にあるので、
背屈=足首を反らす動きの機会が減ってしまいます。
もう一つは、足首の捻挫などの後に、足首を動かす機会が減ってしま
い結果的に可動域制限を残してしまうことが考えられます。
治療後も足の骨の構造的な問題を残してしまい、なかなか改善しない
場合などがあると思われます。
構造的な問題は話すと長くなりますが、なるべく簡単にしてみます。
ここでいう足首は最初に書いたように、距腿関節すなわち下腿の骨=
脛骨・腓骨と距骨という骨との間の関節をいいます。
距骨の下にかかとの骨=踵骨(しょうこつ;と言います)があります。
距骨という骨はとても変わっていて、多くの骨には筋肉が付着してい
て関節を動かす動力になっていますが、距骨には付着している筋が
ありません。
下腿の骨と踵の骨の間にあって、足首の向きを調節する役割を
担っています。
後ろから見るとこんな感じです↓
かなり簡略化して描いているのでその点をご理解ください。
さて、
これを横から見るとこうなります↓
ここでは筋肉や他の骨などは省略して描いています。
ストレッチの対象となるアキレス腱は、踵の骨についています。
ここでもしも、
距骨の位置がちょっとでも前にずれていたりすると、足を背屈する時に
前側で下腿の骨との動きの調節が乱れて、もっと分かりやすく端折って
言ってしまえば、距骨の前が下腿の骨にぶつかってしまうような動きに
なってしまう、ということです。
どうしてそんなことが起こるか?
先ほど例に挙げた捻挫で靭帯が切れてしまったりして、足関節の安定性
が損なわれてしまった場合です。
特に距骨と踵骨や腓骨を結ぶ靭帯が機能しないと、踵骨と距骨の位置が
不安定で、距骨が踵骨に対して前側にずれてしまったりすると、さっき
のような背屈時の運動障害が生じる可能性が増えてきます。
ですから、
靱帯の修復手術後のリハビリで足首の可動域を改善・回復させる他動 運動をする場合などは、踵骨をしっかりと把持して、距骨の前側を
しっかりと抑えながら、背屈運動を行うようにします。
ただアキレス腱さえ伸ばせば良い、というわけにはいきません。
意外と足首の構造は思ったより複雑なんですね。
さて、次回は足首の背屈ストレッチについて、
これまた、
ちょっと考えてみようと思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。