- 朝野裕一
速く歩くにはどうすれば?
速く歩ける能力は、
その人の身体能力を測る一つの指標とされています。
それは、
サルコペニアとかフレイルという言葉で説明されているのですが、
そのことはまた別の機会にして、
今回は、
速く歩くためにはどうしたらいいか?についてちょっとお話しします。
さて、
速く歩くといってもどれくらい?
という疑問が生じるでしょう。
その前に、歩行についておさらいしておきましょう。
歩行の速度(スピード)を決める因子は何でしょうか?
歩幅(一歩)の大きさ(長さ)と ピッチ(一定時間内に何歩出せるか
;歩を進める率 =ケイデンス;cadenceと言います)です
(これは走る時にも言えることです)。
歩幅の大きさは脚の長さによって 異なってくるでしょう。
単純に言えば、
脚(あし)が比較的長い人は 一歩の幅も大きいでしょうし、
その逆(短い人は一歩が小さい)もまた正しいでしょう。
ということは、
同じピッチならば →脚の長い人の歩が速く進む(可能性が高い)
ことになります。
一方、
同じ脚の長さ(正確に言うと同じ歩幅)であれば
→ピッチが速い人の方が速く進む ことになります。
ピッチを上げるには、 速く脚を前に出さなければならず、
どちらかといえば、 脚が短い人の方が速く出せそうですが…
勿論、
脚が長い人でもその人なりに 素早く振り出すことは可能です。
その分、
脚の筋肉を素早く収縮させたり、地面からの反発力(衝撃)を受け止め
るために下肢の筋肉の働きが 遅く歩くときよりは大きくなりそうです
(わざとゆっくり歩く;スローモーションのように;とバランスを
保持するための筋力が別個に必要とはなりますが)
逆に脚が短い人が大股で(歩幅を大きく)歩こうとすると、
素早さが犠牲になり、ピッチは小さく(遅く)なりそうです。
しかも、
普通のペースよりは、余分に脚を前に降り出したりするので、
ここでも筋肉の働きが増えると考えられます。
いずれにしても、
脚の長さに関わらず、速く歩くためには、 大股=歩幅を大きく/長く、
かつ素早く=ピッチを上げて歩く必要があります。
どちらも満たそうとすると、
筋肉(特に下肢+上肢・体幹;※参照)の働きをより必要とすることに
なります。
※ピッチを上げるには、腕の振りを大きくすることでも可能になります
※脚と、腕の振りを大きくするためには、体幹の安定度がより必要に
なってきます。
参考)
・歩幅=一歩の長さ=ステップ(step)と言います
・一足の足が地面に着いてからもう一度着くまでの距離は、
ストライド(stride)と言います
・ちなみに、左右の足の間隔は歩隔(ほかく)と言います。
今回はここまでで次回に続きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。