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人が速く動くことについて考えてみた:第一話

朝野裕一

人が速く動くなんて、速く動こうと思うかどうかでしょう。

あとは・・・歳をとれば自然と動きが遅くなる、何でって筋力が低下

するからでしょう。

と言われそうですが、果たしてそうでしょうか?

まず筋力と一言で言っても実はそう簡単な話ではないのです。

おいおいお話ししますが、

まずは、

もう少し実態を見てみましょう。

お年寄りが横断歩道をゆっくりと歩いている。今日もその場面を目に

しました。脚の振りはゆっくりと、体(体幹)は硬い感じで手の振りは

あまり認められません。

これがいわゆる、

加齢に伴う筋力低下に関係する歩行速度の低下なのでしょう。

もう少し若い人が同じように横断歩道を歩いている姿は、足をしっかり

大きく振り出して、手も振りながら体幹は硬さを感じない(微妙に

ねじりながら)歩き方をしています。

結果、歩く速さも先ほどの方より速い。

ここから結論づけられることは・・人は歳を取ると動きが遅くなる。

それはきっと筋力の低下と関係があるのだろう、となります。

確かに間違ってはいないのですが、

じゃぁ逆に筋力が低下すると皆同じようにゆっくりと動くのか?

そうとは限らないんですね。

前にも椅子からの立ち上がり動作について書いたいくつかのブログ

述べましたが、筋力の低下は動作のパワーを上げるため不利になるため

パワー=力(筋出力)×速度の公式からすると、ある動きを達成する

(パワーを確保する)ためには、動く速度を上げることで補わなければ

ならない。

したがって、

筋力の低下が必ずしもカラダをゆっくりと動かす理由とは限らない、

ということになります。

実際、

小柄なお婆さんが結構ちょこまか速く動いている姿をご覧になった方も

いるのではないでしょうか?

ある意味、年より若いと解釈もできますが、体重を支えながらゆっくり

と動くことができないから速く動いているのではないか?

とも考えられます。

ここから話がややこしくなります。

今、小柄な、と書きました。

そうか!体格と動く速さも関係しているのでは?

と思った方もいるでしょう。

そうなんです。体格=背の高さ=手脚の長さが、動く速さと関係が

あるんですね。

子どもを見ればもっと分かりやすいでしょう。

小さな(体格的に)子どもは実に素早く動きます。面倒を見ている

おばあちゃんが走り出す孫を追って息を切らしてしまう、どっと疲れて

しまうということはよくありますね

この理由は物理的にはっきりしています。

手脚を振るのは、ちょうど振り子の周期と柄の長さとの関係に表れます

難しく言うと“振り子の等時性”と言われているものです。

振り子の触れるリズムは、振り子の先の重さや振り子を大きく振るか

小さく振るかに関係なく一定で、振り子の長さだけに変化がある。

振り子が長いほどゆっくりと、短いほど速く振れるということです。

さあ、ややっこしくなってきました

果たして大柄な子どもと小柄なご老人では、一体どちらが速く動ける

のでしょう???

この話はもう少し続けていきましょう。今日はこのくらいにして。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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