• 朝野裕一

人が速く動くことについて考えてみた:第二話

素早く動くということは、筋肉の収縮が速く行われるということに

つながります。

速く収縮する筋肉は速筋(白筋)と言われ、強い力で早く収縮する反面

長持ちはしない、という特徴を持っています。

そうして諸説あるものの、歳をとるとまずこの速筋が少なくなる

(萎縮する)と言われています。

とすれば、

加齢とともに動きが鈍くなるというのは至極当然のように思えます。

しかし、

前回第一話でも書いたように、ある動作を行う効率を考えると、

仕事率(パワー)=力×速度となって、力が減れば速さで補うという

現象が一方であります。

なので、

ちょこまか動く(例えば椅子から立つ時にゆっくりではなくサッと

行う、など)ことが必ずしも筋力の大きさのみが関係しているのでは

ないことをお話ししました。

すでにここら辺がややこしいのですが・・・

話を戻しましょう。

素早く動く場合、筋肉の速い収縮が必要と言いましたが、その前提

として神経の信号が筋肉に早く達しなければなりません。

一番速い動きは、反射という形で現れます。これは、例えば、熱いもの

を触った時や、画鋲を踏んづけてしまった時など、体に害をなす刺激

(=侵害刺激と言います)に対して反射的に手を引っ込める足を上げて

避ける、などの動きとして認められるものです。

体の防御に必要なこれらの反射的な運動は、いちいち脳にお伺いを立て

ている暇がないので、脊髄という神経の通り道で処理されます。

だからこそ速く反応できる訳です。

上の図で言えば、受容器からの信号(熱いものからの温度刺激や画鋲の

針の刺す刺激など)を脊髄まで伝え、それを大脳皮質まで伝えるのでは

なく、そのまま神経ー筋へと伝えて反射的な運動を引き出すという、

短縮経路を用いているので速い動きが可能になります。

つまり何が言いたいかというと、

筋肉の収縮する速さの性質だけではなく、神経の刺激が通る経路によっ

ても、動きの速さが規定されることがあるということです。

カラダを速く動かすといっても、詳しく見ると色々な場合があるんだな

と思っていただければいいかなと。

ここまでをまとめると、

カラダを速く動かすには、

0.速く動こうという意思が必要

1.年齢との関係があるだろう(歳をとるとゆっくり?速い?)

2.筋力の程度にもよる(筋力低下で遅い/速いどちらもありそう?)

3.体格とも関係している(背の高さ、手足の長さなど、体重もか?)

4.筋肉の性質にもよる(速筋/遅筋)

5.神経信号の通る経路も関与

ということになります。

でも、

まだ他の要素が関係しているかもしれません。それは次回に。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。