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朝野裕一

二つの関節を跨ぐ筋肉〜二関節筋:第二話

二関節筋のお話の続きです。

このお話をする前にもう少し前提となることを話さなければなりません

しばしお付き合いをお願いします。

筋肉が収縮するとその付着部同士が近づきます。

しかしそれは、両端部がいずれも自由に動くことを想定しています。

ちょうど下図の左側の絵のような感じです。ここでは筋肉を一種のバネ

として扱っています。

しかし実際のカラダでの筋肉の作用はそうはいきません 。

筋肉の付着部のいずれかが、いわば固定された形で初めてその先の部分

が動くことになります。

上図の右側をご覧ください。

例えば肘の関節と見立てたら、カラダに近い側が固定されて初めて肘が

曲がってくるわけです。

この固定作用にまた別の筋肉が絡んでいる場合が結構あります。

ここで、試しに仰向けになって首だけ持ち上げておへそを覗き込んで

みてください。

お腹に手を当てると・・・

腹筋が硬くなっているのがわかると思います。

何も下の写真のように上体をたくさん持ち上げなくても腹筋は働きます

どうしてでしょうか?

細かい説明は省きますが、首を持ち上げる筋肉=胸鎖乳突筋が、胸骨

という場所についており、それが動かないよう固定するために、腹筋が

働いてしまう→腹筋が固定筋として作用する、からです。

まぁ、体幹部の方が頭より重たいのでそれだけでも固定作用になる

のですが、念が入ったもので腹筋が胸骨をはじめとした胸郭部を固定

していてくれているわけです。

さて、

話が入り組んできましたね。

ここからが本番です。

話題にしているハムストリングスの作用は前回も書いた通り、膝を

曲げることと骨盤を後ろに引っ張ることでした。

しかし実はもう一つ大きな作用=役割があります。

それは、股関節を後ろに伸ばす作用です。どうしてそうなるかというと

骨盤側がある程度固定されて、膝が曲がる方向=後ろに引っ張られる

のに応じて大腿骨(太ももの骨)も後ろに引っ張られるからです。

※ここは正確にいうとちょっと違うんですが、今はこうしておいてください。次回第三話でもう少し詳しくお話しします※

太ももが後ろに引っ張られる=股関節の伸展となります↓

二関節筋の代表であるハムストリングスは、実に様々な作用を持って

いることになります。

二つの関節を跨いでいるだけあって、色々な顔を持つ二関節筋。

次回以降も、

もう少しカラダの動きに応じた作用を見ていこうと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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