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朝野裕一

人が速く動くことについて考えてみた:第六話

人が素早く判断して動く、ということについて今日は考えてみたい

と思います。

壁際でホームランになりそうなボールをキャッチ。

野球のファインプレーの一つとして、よく見かけますね。

このとき選手はボールをキャッチするべくボールに焦点を当てて走って

います。

しかし、

一方で迫ってくる壁にぶつからない・衝突しないように注意しなければ

なりません。

バレーボールでスパイクやブロックをするときも、ネットを意識して

ジャンプしなければなりません。

どちらの物体にも注意を向けるとき、中心視野周辺視野の問題が

生じてきます。

ボールに集中している=中心視野に入れていると同時に、直後に起こる

であろう壁との激突に備える身の構え(動かし方の準備)も必要なので

壁を周辺視野に入れて身構えます。

これを素早く判断する、しかも走っているので、いくつもの状況判断を

その時々の動きと合わせて行なっているわけですね。

カラダを素早く動かすと言っても、実はそれ以前の状況に備えた

身の構えを形作る作業も含まれているんですね。

先を予測した姿勢制御の問題とも関係が出てきますが、その話はまた

別のところで。

話は変わりますが、

物事に集中する(attention)ときも同様な状況があると思います。

何かに集中しすぎると、周りの状況が見えなくなる時ってありますよね

集中しながら周囲の環境からの情報を得る、周辺視野はちょうど物事を

集中して考えながらふと違うことを思い浮かべる(同時にでなくても

いいのですが)ことも必要だということになります。

人の情報処理能力はとても面白くできていると感じますね。

野球(NBPもMLBも)は、これからが本番。約半年近く私たちを楽しま

せてくれます。フェンス際のキャッチ・プレーが見られたら、周辺視野

のお話を思い出してみてください。

★参考:「球辞苑」(NHK BS1)

「集中力はいらない」(森博嗣・著、SB新書、2018.)

今日も読んでいただき 、ありがとうございました。また明日。

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