二つの関節を跨ぐ筋肉〜二関節筋:第六話
実際の動きにおいて、二関節筋がどんな働きをしているのか?
今日はそのお話です。
スクワットを例に挙げて考えてみましょう。
スクワットの動きはその型には様々なものがありますが、関節の動き
だけをとると、股関節と膝関節が共に曲がっていきます。
一方、
下肢の二関節筋の役割=働きをもう一度確認してみましょう。
※他に腓腹筋というスネの後ろ側についている筋肉がありますが、
ここでは省きます※
大腿直筋は、股関節を曲げる・膝を伸ばす、ですね。
ハムストリングスは、股関節を伸ばす・膝を曲げる、です。
どうでしょうか?
赤い字の部分はスクワットに求められる動きです。一方黒字に太字部分
の動きはスクワットに反する方向の動きです。
しかも互いに、股関節を曲げる↔︎伸ばす、膝関節を曲げる↔︎伸ばす
という動きが拮抗した・矛盾する働きをする筋肉同士が働くことに
なります。
大腿直筋で言えば、
膝関節周りでは曲がっていくにも関わらず、伸ばす働きを持っている。
股関節周りでは、その役割通りの曲がる方向に動いている。
ハムストリングスで言えば、
膝関節周りでは、その役割通りに曲がっていく。
しかし、股関節周りでは曲がっていくにも関わらず役割は伸ばす方向。
これらの二関節筋がスクワットという単純な動き(股関節と膝関節を
曲げていくだけ)においてとってもややこしい役割を担っていることが
お分かりいただけるでしょうか?
図で示しておきましょう↓
この辺の話はスクワットと並んで、
Podcast番組の「トーキング・エクササイズ」でも話題にしばしば
なっており、今後も二関節筋についての話が登場すると思うので、
興味のある方はご視聴お願いします
さて、
複雑な機能=役割を持つと思われる二関節筋ですが、スクワットという
比較的単純に行える動作における下肢の各関節の連動性をどう制御する
かに、どのように関わっているのか?がとても興味のあるところです。
今後も、その辺のところを引き続きお話ししていくつもりです。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。