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朝野裕一

人が速く動くことについて考えてみた:第十六話

ナンバ歩き・ナンバ走りについて昨日書きましたが、

スポーツ場面ではしばしば手足同じ側を同時に前に出すカラダの動かし

方をすることがあります。

そしてそれは、素早くカラダを動かす必要があるときに現れます。

例を出してみましょう。

まずは、

手と足を左右逆に前に出す動きの時を考えてみます。

テニスを例に出してみましょう。

通常のショットでは、上の写真のように左足が前に出ているときに 、

右手を前にしてショットを打ちます。上から見るとこんな感じです↓

ところが、

ボールがライン際に飛び、それに急いで追いつこうとラケットを前に

出すときは 、手と足が同じ側(右足と右手を前に出す形)になります。

バドミントンで見るともっとわかりやすいかもしれません。

素早くシャトルが打ち込まれそれを拾おうとしたとき、右足を出すと

同時に右手にあるラケットを前に出しシャトルを拾おうとします↓

これも上から見た略図です。ちょっとわかりづらいでしょうか?

いずれにしても、素早い動作を必要とするときに現れる動きです。

もっとわかりやすい場面を想定してみましょう。

それは、フェンシング。

一番上の真ん中の絵を見てください

右足を前に出して右手にあるサーベルを前に突き出す、フェンシング

ではおなじみの動作です。

上から見るとこんな感じでしょうか

今までお示しした二つ(バドミントン・フェンシング)の動きは、

骨盤から上の上半身が捻れておらず、同じ側の手足を前に出す動きです

これが素早い動作をするときに現れる、典型的なカラダの動かし方に

なっています。

ゴルフや野球のようにクラブやバットを持つ人自体がほぼ静止している

ところからの振り回し動作は体幹の捻りを伴いますが、それも前に

申したように一軸性の捻りではありませんでした。

さらに、

自分がボールやシャトルを追って打つ、あるいはサーベルを前に素早く

突き出すような動きでは、ほとんど捻る動きは伴っていません。

※その代わり強くラケットを振ることはできないかもしれません。

体幹を捻る動作がその状態では難しいからです。ですからテニス・

バドミントンなどではボールやシャトルに当てるだけ、あるいは腕や

手首で振るぐらいになりそうです。フェンシングではそもそもサーベル

を突き出すとき体は捻っていません※

素早く動く時に体幹の安定性(動的な安定性)が必要な場合、捻る動き

はかえって効率が悪いことになる場合があるんですね。

いかがでしたでしょうか?

素早く動く時の体幹などの使い方には、それなりの意味があるという

ことでした。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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