• 朝野裕一

筋力についてもう一度しっかりと考えてみよう!:その8

今日は疲労のお話です。

筋力を連続的に収縮させていると、当然疲労が生じてきます。

疲労が起きると、筋出力=筋力が減少します。

この疲労という現象には、前回少しお話したように大きく分けて

二種類あります。

一つは、

末梢性疲労と言われるもので、末梢の神経から、神経ー筋接合部に

おいて起こるものです。

もう一つが、

中枢性疲労と言われるもので、大脳皮質運動野を含む中枢神経に生ずる

ものです。

末梢性疲労はかなり大雑把に言いますと、以下のような仕組みです。

神経から発せられる電気信号が、神経と筋繊維との接合部で化学的な

物質交換→主にイオンの交換;になります。

イオンの交換に伴う電位の差が、この交換が繰り返し行われることで、

生じなくなると、もはや神経からの信号がいくら発せられても、化学的

な変化→筋収縮に結びつく;を起こせなくなります。

これを末梢性疲労と言います。

一方の中枢性疲労とはどんな現象でしょうか?

大脳皮質から生じる神経活動が随意的な筋収縮を引き起こすスタートに

なるわけですが、この神経活動が低下あるいは鈍っていたとしたら

どうなるでしょう?

元々の神経による電気信号が少なくなる→働くモーター・ユニットが

少ない→十分な筋収縮が得られない/筋力が十分に発揮されない、

ということになります。

この一連の減少を中枢性疲労と呼んでいます。

原因には様々なものが考えられますが、心理的・精神的な要員としての

やる気のなさ・モチベーションの低下・全身の疲労感などがそもそもの

筋肉を収縮しよう!という命令を出す程度を減らす場合があります。

ということは、

末梢性の疲労が生じる前にもしかしたら中枢性の疲労が起きている

かもしれませんね。というかそれが通常のケースと言ってもいいかも

しれません。

もちろん、

これをやる気のなさと断じて、全てをそのせいにすることは間違った

対応だと思いますが、何らかのモチベーション・アップのための工夫

なども必要になってくるでしょう。

人間は倦怠感・嫌悪感・恐怖感などの心理的な要因が本人もそれと

気づかない中で、神経活動や運動能力を制限している場合があることは

以前にも書いたと思います。

面白いことに、

一旦パフォーマンス(発揮筋力などの数値)が低下した後でも、掛け声

を掛けたり、大きな音でびっくりさせたりすると、再び上昇することも

実験でわかっています。

これが、

あくまでも随意的に筋収縮・運動を行なっていることの証で、もしそう

でなければ、関節や周りの組織を傷めて/破綻させてしまう可能性も

あるので、ある意味のストッパー的な役割を担ってもいます。

瞬時の動きなどには、対応が間に合わないので、関節や筋肉には危険を

察知するセンサーがあり、反射的に筋収縮を緩める(抑制:inhibition)

仕組みもありますが、そのことについては次回に譲りたいと思います。

今日は、(筋肉の)疲労についての大まかなお話でした。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。