- 朝野裕一
関節の動く範囲〜日常生活動作から;起き上がり動作
筋力発揮のための関節可動域(自動可動域)の重要性について書いて
きましたが、元々の可動域(他動可動域)の重要性についても日常の
生活のおける動作から考えていたいと思います。
1日の始まりは、
前の夜寝ているところから、起き上がる動作で始まります。
起き上がり方にも実は色々あって、正面から手を使わずに筋力を利用
(腹筋やそれ以外の筋の共同作業)して起きる方法や、
両肘→両手と順につきながら、それを支えに正面から起きる方法もあります。これは先ほどより筋力を使わずにできる方法ですね。
場合によっては、両足を一旦あげてそれを戻す勢い(反動)を使って起きる人もいるでしょう。これも筋力が弱い人などが他の力(慣性力)を借りて行う方法です。
最もありそうなやり方は、一旦横を向いて肘をついてから、その次に手を支えに体を回しながら起きる方法でしょうか?
この方法は、筋力はあまり使わないと同時に上半身を捻る必要があり;寝返りの時も同様ですが;上部体幹の充分な関節可動域が必要になります。
これは以前からお話してきたように、胸椎の回旋を主とした動きで、
その可動域が充分でないと窮屈でかえってやりづらくなり、二番目・
三番目で紹介した(手で支える・勢いをつける)方法をとることに
なるかもしれません。
起き上がり動作は、
立ち上がり動作同様、重力に抗って身体を上げる動作なので、意外と
できない/できづらい動作の一つで
適度な筋力(体幹筋などを含む)と同時に、充分な上部体幹の可動域
が保証されていないと、困難な動作になります。
我々は何気なく、
1日の始まりから関節の可動域とそれを動作に結びつける筋力の働きを
試されているんですね。
もう少し、
色々な日常動作で関節の可動域について考えてみたいと思います。
今日も読んでいいただき、ありがとうございました。また明日。