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朝野裕一

腕(手)と脚(足)の動く仕組み〜関節の構造から

日常生活で何かを操作する時にとても便利な腕(手)と、

体重を支える脚(足)、その構造は似ているところがあります。

もちろん、機能=役割が違うので、それに伴う違いもあります。

進化の過程で四足動物から二足立位・歩行獲得したのが人類なので、

手を使う上肢と足で踏ん張って立つ・移動する下肢の構造が似ていても

不思議ではなく、また役割が違ってくることで異なる構造を持つのも

当然のことです。

今まで述べてきた上肢と下肢の構造と機能について、もう一度復習して

みましょう。

上肢は結局、とても器用な機能を持つ手をいかに使うかがメインになっています。それがヒトが持つ他の動物と違う大きな特徴です。

そのための土台を提供するのが上肢。

もちろん手で体重を支えることもあります(四足動物の名残と考えることもできますね)。

そして、それぞれの構造はその機能(役割)を果たすためにできています。

土台の主役は肩甲骨、そして上腕骨という腕の骨が肩甲骨といわゆる肩関節を形成しています。

これは色々な方向に動く必要性から、球関節という構造をしています。

さらに手の位置の奥行きを調節するのが肘関節で、これは蝶番様の構造

をしていて、曲げ伸ばしがその動きのメインです。それ以外の動きは

昨日書いたように靭帯などで制限されています。

さらに前腕部分で手のひらを上に向けたり下に向けたりと

(回外・回内と言います)いう動きができるようになっています。

さて、

では下肢の方はどうだったかというと・・・

主な役割は体重を支えることでしたね。

脚を使うサッカーなど、物を蹴る場合は手同様に足を器用に扱う場合もありますが、

多くは、体重の支持がメイン機能です。

そして、構造は土台の骨盤とそこに付く股関節が球関節で可動域が広く、脚や重心の位置を様々に変化させられます。

さらに脚の位置の奥行きや重心の高低などを決める膝関節が肘関節同様、蝶番的な構造で、動きとしては曲げ伸ばしがメインになります。

こうやって見てみると、上肢と下肢の構造・役割の似ているところと違うところが分かってきますね。

まとめると、

上肢と下肢の構造上の似ているところ:根元が球関節で大きな関節可動

域を持っている。次の肘あるいは膝関節は、蝶番様で位置方向

(曲げ伸ばし)が主たる動きで、その他の方向の動きは靭帯などで

補強・制限されている。

末端の手と足は、構成する骨がいくつもあって、細かい動きを許して いる。

上肢と下肢の機能の違うところ:上肢はあくまで手をいかに巧みに使う

かがメインの役割。下肢は体重をいかに支えるかがメインの役割である

手は物を操作する巧みな動きを、足は体重を支えてバランスを細かく

取れるようになっている(構造上の類似点から)。

というところでしょうか。

何百万年いや何億年?にも及ぶ生物の進化の中で、ヒトはその生活に

則した構造と機能を身につけてきたわけです。

そんなことを知って何になるの?

と思うかもしれませんが、単純に知識として面白いと同時に、そういう

ことを知って運動をするのと、知らないで行うとでは、意味づけや意義

などが違ってくると、私は思っています。

まぁ単なる好奇心・知識欲でも構いませんので、ヒト(自分)の身体

が動く仕組みを知ることは、とても大切なこと/面白いことと思って

いただければいいなと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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