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関節の位置関係〜アライメントという考え方

朝野裕一

ここまで関節の動き方について書いてきましたが、この辺で一度

各々の関節の位置関係についてお話ししておこうと思います。

ヒトは概ね静止立位状態では各関節の位置関係が一定です。

もちろんそこにある程度の個人差はありますが・・・

例えば、

膝がO脚なのか、X脚なのかとか、膝がまっすぐ伸びない屈曲拘縮を

呈しているとか、腰の反りが強い場合とか逆に反りが少ない人など、

個人差はあります。

関節の位置関係を決めるのはその関節を構成している骨の配列です。

それがある範囲では皆一定ということです。

この骨の配列をアライメントと呼びます。

模式的に示してみましょう。

右図のように左右で積み木の並びは異なります。左側は比較的一列に縦に並んでいますが、右側はバラバラでなんとかその位置関係を保っています。

下にその重心の位置を平面状に投影した状態を示しています。

左右どちらが安定していると思いますか?見てお分かりのように、左側は一定の配列で重心の位置が平面上(基底面と呼びます)の中に収まっていて安定しているのに対し、右側は基底面上の端っこに重心が落ちていて今にも崩れそうに見えますね。

ちょっと押しただけで、

右側の積み木はバラバラに崩れてしまうでしょう。

この様に、

アライメントというのは、静止した状態における安定性の程度を表す

指標になります(静的安定性)。

もちろん動いている瞬間の関節の位置関係も、動きの安定性を保証する

目印になります(動的安定性)。

この関節の位置関係→骨同士の位置関係を決める因子として、解剖学

(構造)上の骨の配列と、関節の可動域と可動性(柔軟性)、位置関係

を保つ筋出力の程度など、様々なものが考えられます。

そして、

一つとても重要な要素として、重心の位置を決める(作用する)ことが

含まれています。

この点については過去にも何回か書いてきましたが、ここでもう一度

改めて振り返っていきたいと思っています。次回に続きます。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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