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朝野裕一

足にまつわる悩み〜捻挫はなぜ起こる?

足に関しての悩みは色々あるでしょうが、中でも捻挫は誰しも一度は

経験したことがある傷害ではないでしょうか?

なぜ、

捻挫は起きる?しかも誰しもが?を今日は考えてみたいと思います。

その前に、まずは足の役割からもう一度確認してみましょう。

この図の最後の足関節部分です。

立っていると地面と唯一接しているのが足。地面から受ける力や地面の

形状などの情報を感覚情報として送り、足圧中心という足にかかる重み

を調整して、重心の位置を変化させる役割があります。

ヒトの身体運動にとって、とても大切で微妙な調整機能を持っている

部分が足なわけです。

常に地面からの反力と身体の重みを上から受けている部分なので、

足首(足関節)にかかる負担は容易に想像できるかもしれません。

だからそんな足の部分はどうしても捻挫しやすいのでしょうか?

確かに、必要な条件としての足の機能(役割)に伴う捻挫のしやすさは

あるのですが、それ以上に構造上の問題が関係しています。

もう一つ確認しておくことがありました。

捻挫と一言で言ってもいくつかの種類(損傷部位が異なる)があります

足の外側の靭帯を傷める内反捻挫、逆に内側の靭帯を傷める外板捻挫

参照)、さらには前方部分の靭帯を傷める捻挫もあります。

中でも、内反捻挫が最も頻度が高いものです。ですから、ここでは

内反捻挫についてお話しします。

そこでこの内反捻挫が起きやすい条件として、そもそもの足首の構造が

関係しているというお話です。

いわゆる足関節(足首の関節)は距骨という骨と脛の骨(脛骨+腓骨)

からなる関節のことを言います。

この関節の動きの中で足指を真っ直ぐ上に上げる方向の動きを背屈、

逆に足指を下に真っ直ぐ下げる方向の動きを底屈と言います。

そのほかにも、回内・回外、内反・外反、内転・外転、複合運動である

内返し・外返しといった動きがあります(参照)。

今、真っ直ぐに上げ下げと書きましたが、実はその動きの関節の軸は

前後から見ると地面に対して傾いていますし、上から見ても正面に対

して一定の角度で斜め方向を向いています(参照)。

ということは(ちょっとややこしいのですが)・・・、足首(足指)

を上に向け(背屈し)ようとすると、足指が外向き(外返し方向)へ

足首(足指)を下に向けようとすると、足指が内側(内返し方向)へ

動きやすい構造になっています。

さて、捻挫(内反捻挫)をするときはどういう状況でしょうか?

地面に凸凹があったりして足首を捻る、あるいは踏ん張って方向を変え

ようとする時などに、

コロンッと足首が捻られる状態でしょう(参照)。

踏ん張ると足首は下の方向(底屈方向)に力が働きます。

すると、構造上どうしても足指が内側を向く方向(内返し)に動き

やすいので、内反捻挫と言われる捻挫が多いと考えられます。

地面の状況や動く方向、足首に加わる力の方向などによって、捻挫する

方向は変わりますが、構造上の特徴から見ると、どうしても内反方向

(内返し方向)へのひねりが起こりやすいと考えられるわけです。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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