• 朝野裕一

バランスについてもう少し

バランスは総合的な運動につながる、というのが昨日のお話

何となく使うバランス(能力)とか、安定性などの言葉ですが、その

内実を的確に示すことは意外と難しいものです。

バランス良いねぇ、バランスがちょっとねぇ、などと何気なく使う言葉

「バランス」ですが、その意味するところは何でしょう?

身体バランスの場合を考えると、前から何回もお話ししているように、

静的なバランスと動的なバランスがあるということでしたね。

今日はその辺をもう少し深掘りしてみましょう。

静的バランスとは、ある姿勢を保ち続ける状態のことでした。

しかしこれにはある条件が伴います

片足で立っている状態を想定してみましょう。両足で立つよりも重心を

落とすことのできる支持基底面(下図参照)と呼ばれる部分の面積が

小さくなる分、不安定になる要因が増えます。

でも地面や床が、凸凹せずに斜面でもなく平らであれば、比較的安定を

保ちやすいでしょう。

しかしそうでなければ、その場所で片足立ちでバランスを保つのは難し

くなってくるでしょう。

また平均台の上など、

支持基底面自体が狭くなってもバランス保持は難しくなります。

さらに、もし地面が揺れたとしたらどうでしょう?あるいは外側から

押されたりしたら?こういう外側からの刺激を外乱と呼びます。

外乱があると、たとえ地面や床が真っ平らであったとしても、片足で

バランスを保つことはより難しくなるでしょう。両足でも難しいかも

しれません。

ヒトはそういう場合、その姿勢を無理に保つことはせず、脚を付いたり

(片足立ちの場合)、踏み出したり(片足や両足の場合)して転ばない

ようにします。

支持基底面自体を移動させ、その新しい支持面内に重心を落として安定を

戻すわけですね。

安定が崩れて一番危険なのは転倒だからです。

昨日お話ししたスラックラインなどは、支持基底面自体が狭い

(幅 5cmが通常)上に、弾力性があって空中に張っているので、支持

基底面自体が揺れます。

いかに難しい環境下でバランスを保つ必要があるか想像できるかと思い

ます。実際やってみると想像以上の不安定さでしたが・・・

要は、静的安定・静的バランスといっても、外界・環境が変化する場合

や外乱が加わる場合などでは、難しくなると同時に動的バランス能力も

そこに加わってくるとも言えます。

単に止まる・動いているというだけではなく、支持基底面自体が変化

する・外乱が加わることで、静的・動的バランスの交差する場面が生じ

るということです。

スラックラインの話に戻しますと、その上を歩くなどは動的バランス

能力の範疇に入るでしょう。

何れにしても、静的・動的バランスの組み合わせがある状態では、

単に筋力だけではなく、筋収縮の調節や、身体の位置を感ずる能力

(体性感覚)、視覚・前庭覚などから得られる情報処理、関節の可動性

エネルギーを効率よく発揮するための呼吸・循環器系のバックアップ

など総合的な能力が必要とされる、ということです。

※(バランス)能力が増すに連れて、少ない努力で達成できるように

なります。エネルギー効率が良くなるわけです。※

バランスは総合運動、

と昨日言った理由を、今日は少し掘り下げて考えてみました。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。