朝野裕一
股関節でバランスを保つ:2〜片足立ちを真横から見ると・・・
引き続き、
片足立ちでバランスを保つ時の股関節の役割についてお話します。
昨日は、片足立ちを正面から見た時の股関節周囲の、主に中殿筋の役割
についてお話ししました。
今回は、
真横から見たらどうでしょうか?
というお話です。
通常バランス良く姿勢を保っているとこうなります。
重心の落ちる線がちょうど外果(がいか=そとくるぶしの部分)の少し
前を通る感じです(上図右端)。
これが不安定になるとどうなるか?
代表的なのが右端の姿勢です。
上体が後ろに傾いていますね。
これは股関節の後ろについている大臀筋(大殿筋)などが緩んでしま
っていると推測されます↓
これは正面の時同様、歩いている時の動作にも現れることがあります。
大臀筋歩行といって、足が地面についた瞬間、上体を後ろに傾ける動き
が起きる歩行です。
歩くたびに身体が後ろに揺れるのでとても特徴的です。
このように、片足立ちという静的なバランスを示す姿勢が、歩行という
動的バランスを要する動きにも特徴的に現れるという意味で、片足立ち
は、バランス能力と股関節周囲の筋力の状態を示す指標になると
考えられます。
もちろん他の要素である、足裏の知覚や、視覚・前庭覚などの影響も
無視できないので断定はできませんが、それらに特に問題がない場合
には、股関節周囲の筋出力に何らかの問題(痛みを伴うなどの場合も
あります)があることを示唆していると考えていいでしょう。
バランス能力を評価する・鍛えるなどに、なかなか便利な片足立ち
のお話でした。
もう少し続きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。