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朝野裕一

体性感覚でバランスを保つ

視覚や聴覚・前庭覚という特殊感覚と呼ばれるもの以外の感覚は、

体性感覚として区別されています。

その中には、前に書いた足裏の皮膚感覚も含まれます。

一言で皮膚感覚といっても色々で、触った感じそのものは触覚と

呼ばれています。

皮膚感覚はそれだけではなく、押された感覚=圧覚や、痛みを感じる

痛覚、温度を感じる温覚・冷覚、

その他痒みを感じる痒覚なども含まれます。

皮膚感覚以外にも、

関節内や筋・腱内の受容器からの情報である深部感覚と呼ばれるものが

あります。

深部感覚は、関節の動きを感じ取る運動覚や位置の情報を発する位置覚

や、振動を感ずる振動覚、痛みを感ずる深部痛覚などがあります。

内臓の痛みを含めた内臓感覚も体性感覚に含まれています。

これらの情報は、皮膚の触覚・圧覚・温痛覚くらいは意識して感じ取る

こともできますが、それ以外の運動覚や位置覚はほとんど意識せずとも

受容器からの情報が中枢神経系に送られています。

それらによって、筋肉の収縮度や身体の位置の変化を半ば無意識に調節

することで、微妙なバランス感覚を維持することができる仕組みです。

視覚情報、前庭覚情報とともにとても重要な役割を果たす体性感覚。

バランス能力における筋力の重要性は、等しく言われていることですが

筋肉の作用は単にこれらの(感覚からの)情報が処理された後に、力と

して発現する、効果器としての役割にすぎません。

最終的には力の調節になるので、効果器としての役割を果たせる状態で

筋力がある程度まで維持されている必要があるという意味で重要である

ということなのです。

それ以前に、感覚からの情報が遮断されてしまっては、力の調節を行う

効果器としての筋肉の役割は果たせないことにもなります。

必要だけど、それさえあればいいというものではないという、

筋力は必要条件」(十分条件ではない)とうことを、もう一度

思い出してください。

バランス良いねぇ、悪いねぇなどと何となく言っている、身体の

バランス能力は実は色々な情報処理のもとに行われているとても

精緻な機構だということですね。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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