• 朝野裕一

続・速い球を投げることと筋力の関係

昨日はダルビッシュ投手の話に終始していましたが、肝腎の速い球を

投げることと筋力(といっても色々な部位の筋力がありますが)の

関係についてあまり書くことができませんでした。

今日も少し補足的にそのことを。

再びダルビッシュ投手の話になりますが、肘の手術後のリハビリで獲得

した上肢の筋力(上肢だけではないでしょうし、筋力アップだけでも

ないでしょうが)に伴って、以前以上のスピードの球を投げることが

できている印象がありました。

本人もそれについては、思った以上に力強くなった投球・球速について

話していて、そこから類推しても、また腕の振りを速くする筋肉の働き

(役割)を考えてみても、筋力自体の増強が球速に及ぼす効果はあった

のだろうと思います。

しかし、

ここから即、筋力を増強させれば球速が速くなるとは限りません。

以前から何回も述べてきたように、筋力アップはあくまでも必要条件に

過ぎず、それを成し得たからといって必ずしも皆が速い球を投げられる

ようになるわけではありません。

筋力増強はいわば、車で言うところのエンジンの排気量を大きくした

ことになるので、同じ出力を相対的に少ない努力でなし得るという面で

のメリットと考えられます。

容量が増えればそれだけ余裕で以前の仕事ができるということです。

逆に言えば、

容量が少なければ同じ仕事も常にギリギリで行わなければならない

ということです。

もう一つの問題は、

出力アップに対して、筋肉のような収縮する組織ではない靭帯や腱など

の組織は、それ(出力増強)に耐えきれなくなる可能性が出てきます。

これまた車で例えると強いエンジン出力に足してボディ・シャーシなど

がそのエネルギーに持ちこたえられるか?と言う問題と同じかなと

思います。

これは選手にとってはジレンマというかとても大きな課題ではないか

とも考えられます。

速い球を投げるとは限らなくとも、少しでもパフォーマンスレベルを

アップさせるためのトレーニングにおいて、それ自体が仇となる、

すなわち身体の故障を引き起こす可能性を増すのではないか?

トレーニング自体で故障するとなればその方法や選択が間違っていた

となるのですが、

そうではなくて、結果パフォーマンスも以前以上になったが故の関節

周りへの負担増に伴う、故障のことをここでは言っています。

ある競技レベルを保つことも大事ですが、選手であれば常にそれ以上の

レベルアップを目指すことは当然のことと言えるでしょう。

その過程でどのようなトレーニングが有効かを判断するのは思った以上

に難しいことなのかもしれません。

出力アップを受け止める・吸収する動きの獲得(神経系)とか、柔軟性

の維持などが考えられますが、トップレベルになると出力やパフォーマ

ンスレベル自体がとても高いので、それに身体の組織がついていけない

などということもあるのかもしれません。

今回のダルビッシュ選手の故障と常に一定のパフォーマンスレベルを

維持しているイチロー選手の関節の柔軟性・可動性を維持しながらの

トレーニングなどを見てそのようなことを考えました。

来期のダルビッシュ投手の素晴らしいパフォーマンスを期待しましょう

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。