• 朝野裕一

人体のネットワーク

NHKで放送されていた「人体」の特別編が昨日放送されていました。

テーマは腎臓の役割です。

腎臓がいかに尿の産生以外の役割を人体に果たしているか。

その中で、腎臓以外にも様々な臓器や器官が、細かいネットワークを

形成しているか、が話題になっていました。

以前は、脳を中心とした中央司令部が全ての命令や指示を行っている

と考えられていました。

しかし、最近の医学の発展によって脳もその一部でしかない人体の

細かいネットワーク形成の存在が分かってきています。

丁度コンピュータのインターネットによるネットワークのようなもの

です。

人体内のネットワークなので、イントラネットと言った方がいいのかも

しれません。

身体運動に関しても、脳の指令はもちろん重要ですが、それ以外の情報

交換が脳からの指令だけではないところで行われてもいます。

例えば、画鋲を間違って踏んづけてしまった時、痛い!と感じる前に

足を引っ込める動きが現れます。

これは脳に痛みの信号が行くと同時に、脊髄から直接反射的に足を

引っ込める命令が及ぶからです。

そうでないと痛いと感じてから足を引っ込めていたのでは遅いからです

この様な刺激を侵害刺激と言います

人体に有害な刺激のことで、それを脳が識別してからでは足を引っ込め

よう、となると有害な刺激を防ぐには有効ではない(間に合わない)

からです。

人体を守るためにこの様な侵害刺激に対する反射機構が備わっています

脊髄反射と呼ばれる短いルートでの素早い反応を引き出す仕組みです。

一方で、身体運動をもたらす運動器と呼ばれる筋肉や骨には、単なる

運動効果器官としての役割以外の多くの役割が存在していることも

分かってきました。

例えば、筋肉は人の免疫機構に関わる情報を出す機能を持っていたり、

骨は赤血球や免疫細胞を作り出す働きを持っています。

この様なネットワークシステムは、中央司令部だけで全ての命令を下す

という中央集権的システムに比べて、変化に富む環境への適応や、

想定外の状況に素早く反応できるという利点があります。

そしてこのことはビジネスの世界での会社機構や、社会的な組織全般

においても、見直されています。

ピラミッド状な組織における中央管理だと、そこの機能が何らかの理由

で機能不全に陥ると、全ての機能が失われていしまいます。

それだけリスクがあります。

一方のネットワーク型組織では、どこかの機能が損なわれても、

別のルートでそれを補うことが比較的早期に行うことが可能です。

また多様な世界でしかも移り変わりがとても早い時代においては、

システムを適応するには中央集権型では時間がかかり過ぎます。

ネットワークの利点を実は私たちの体がすでに持っているというのは、

環境の変化が激しい地球上で生き残ってきた人類にとっては当然のこと

なのかもしれません。

それにしても、その(人体のネットワークの)緻密さにはただただ驚き

の感を否めませんでした。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。