• 朝野裕一

非対称とバランス

昨日観たデザイントークス+で面白いテーマを特集していました。

何かと言うと、アシンメトリー=非対称です。

面白い話はたくさんあって、

生け花の型が、実は非常に数学的な背景によっていることなど。

その中でも、

非対称なオブジェに見えるダンベルはなるほどぉと感心しました。

非対称な形状と同時に、真ん中を握ると左右の重さは同じになっている

というダンベルです。

考えてみれば左右対称形でなくとも、重ささえ同じであればその機能

(ダンベルとしての)は果たせるし、使わないときはテーブルなどに

置いていると立派な落ち羽化美しいオブジェになっています。

対照性は、

安定と永続性を表すのに対して、

非対称性とは、

決してアンバランスを意味するわけではなく、美しく躍動性を表すもの

だということです。

人間の体も実は非対称的にできています。身体の中では左寄りに心臓が

位置し、右寄りに肝臓が位置しています。

我々はどうしても対称性ということにこだわる傾向があります。

左右対称的な形状と動きが崩れることによって、左右どちらかの腰や

上下肢などに痛みを生じたり不調をきたすと考えられます。

そこで、

あまりにも左右非対称の動きや姿勢を続けることの欠点を挙げることが

多くなります。

しかし一方で、

ヒトの身体自体の非対称性な造りと同時に、その動きも必ずしも対称的

ではありません。

利き腕などとも関係のあることでしょうが、左右どちらかの動きが優っ

ていることは普通のことです。

デザインで考えられる非対称性はそれ自体がバランスを意味してもいる

というのはとても興味深いもので、

しかも躍動感を指しているということは、ヒトの動きの躍動性を示唆

している気もします。

実際、様々なスポーツなどでも常に非対称な動きをしますし、それが

躍動性を象徴してもいます。

考えておくべきは、その非対称性が姿勢や動きに現れる場合に、反対方

向への動きや姿勢にも注意を払って身体のケアをしておくべき、

ということになります。

ついつい非対称というと安定を崩し(だからこそ躍動感を表している

のですが)バランスが取れない状態を想像していましたが、

そうではなく、

非対称中にバランスと調和が隠れており、美しさに繋がるということ。

これが最もこの番組を見て興味深い考え方でした。

部屋に普通に置いておけるオブジェとしてのダンベル。他人が訪れても

隠す必要がない。欲しいですね。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。