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朝野裕一

新・イメージトレーニング?

NHKEテレ放送の「人間ってナンだ?超AI入門シーズン2」が始まり

ました。

新シリーズの第1回目のテーマは「会話する」でした。

人が他人と会話する能力をどこまでAIで再現できるか、ということなん

ですが、詳しい内容は番組に譲るとして、その中で面白い話題が出て

いました。

それは、人間の意味理解というお話です。

ある言語からそれを理解して、イメージを作り出すことができることを

意味理解とすると、

その構造は二階建て構造だというお話です。

1階にあるのは、環境からある情報を知覚して運動を行うループ構造。

これは人間以外の動物などでも行っていることです。

そこに言語という人類特有の概念を表現するツールが入ると、ある言葉

の意味を解釈することができます。

さらにヒトはその意味を1階にあるループからイメージすることができ

るというわけです。

猫という言葉から、まざまざと猫の実際のイメージを作り出すことが

できる。これをヒトの意味理解としています。

AIが今行なっているのあくまでも、2階の部分の言葉からのみ意味を

抽出する作業だということです。

しかし、

現在マイクロソフトリサーチなどで行われている研究では、試験的です

が、text-to-image;言語から画像をイメージして抽出すること;が

すでに可能になってきています。

ある文章を入力するとそのイメージ画像をいくつも作成して提示する

ことが可能になってきています。

実際の膨大な画像から検索して抽出するのではなく、実際にないもの

でも創り出しているのです。

ドローンイングボットとも言われるこの技術が発展してくると、人間と

同じように意味理解ができるようになります。

それが、決して遠い未来のことでは無さそうだということです。

ビックリしますね。

でもここから身体運動に絡めてちょっと考えてみました。

まず、意味理解の2階建て構造に関してですが、スポーツやリハビリの

世界などでは、選手や患者さんにある動き・運動を指導することがよく

あります。

ある時には、実際に何回も繰り返し行うことを通じてや、手取り足取り

動きを誘導して行う場合もあります。これはまさに、1階部分の環境下

での知覚ー運動サイクルの再現を利用したやり方だと思います。

一方で、言葉を通じて動きを指摘して修正を促すなどということもよく

あります。

これは、2階部分と1階部分の交流を通じた身体運動の意味理解と

考えることができるでしょう。

ある言葉から、何かを知覚したり運動として体現したりしながら、

その動き(の意味)を理解する作業です。

さらには、

他者を通じなくとも自分自身の中でそれを行うことも可能です。

ヒトはある運動や状況を覚えたり想像上の体験をする際に、頭の中で

イメージをします。イメージ・トレーニングというやつです。

動きのキー・ワードとなる言葉を連想して、それを画像的にイメージし

実際に動いているような感覚を得ることがある程度できます。

その感覚を覚えていれば、実際の動きに落とし込むことが可能である。

これが身体運動の意味理解。

ここでさらに考えてみます。

先ほど述べたドローイングボットのお話です。

動きのキー・ワードを入力するとそのイメージに合った画像というより

動画であって欲しいのですが、それが抽出されたとしたらどうでしょう

自分の脳の中で行なっていた処理をAIを通じてコンピュータ上に再現

できるとしたら・・・

何と言っていいのか?

アウトソーシング・イメージトレーニングとでも言うのでしょうか?

これはこれで、運動指導の新しい段階に入るような気がします。

それこそ、そう遠くない将来に新しい運動指導方法が追加されるかも

しれませんね。

人間ってナンだ?超AI入門シーズン2を観ていて、そんなことを想像

(イメージ)していました。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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