身体が動く仕組みを知ろう;その4〜バランス能力ってなんだろう?(2)
今日は動的バランス(能力)のお話です。
実は、
静的なバランス能力に必要な要素;可動域・可動性・筋力・感覚入力
などが動的なバランス能力にもそのまま当てはまります。
ただし、
床(地面)から受ける反力=床反力の調節が静的なとき以上にとても
重要になってきます。
様々な感覚入力からのフィードバックや、フィードフォワードにしても
静的なとき以上に動的なバランス能力には必須となります。
その必要度と調節にかかるエネルギーというのか、が大きくなります。
それは動的バランス能力を発揮しているときの出力系の大きさに伴う
ものです。
もっとわかりやすく言えば、重心がどれだけ動くかに関係している
ということです。
要は程度の問題ということですね。
特にここで強調しておきたいのが、フィードフォワードに関してです。
例えば、
高いところからジャンプして、下の方に着地するとしましょう。
このとき下肢の筋肉群は、あらかじめ着地に備えて収縮を始めます。
ジャンプのような瞬時に行われる動作の場合、着地してから対応しても
遅すぎるので、フィードフォワードが働くわけです。
それも静的な状態よりずーっと大きな力を必要とします。
速度と力の程度がどちらも大きくなると予想される動きの場合が、
動的バランス能力発揮の場面です。
動的バランス能力の場合、
筋肉(筋力)や関節(可動域)など身体を構成する器官の働きはいうま
でもないのですが、最も大きな働きは神経系です。
神経が(身体の)動く速度に合わせてあるいは事前に働いて初めて筋肉
が収縮し、関節が動くまたは力を発揮してその位置を保つ、ということ
が起こります。
それによって(動的な)バランスを保つことができます。
また視点を広げて/変えてみると(物理的な視点でみると)、
重心の位置の動きの速さと大きさ、それに対する床反力の大きさと方向
これらが最も動的バランスを制御する因子となります。
(身体の)内的な神経の働きと、外的な要因(重心の移動速度や距離)
との兼ね合わせで動的なバランス能力が決まると言っていいでしょう。
しかし、
年齢を重ねていくにしたがい、神経系の働きの衰えが生じて、動いて
いるときの素早く安定した(姿勢などの)調整がうまくいかなくなる、
ということが起きてきます。
それを防ぐ、衰えを減じるためにはどうしたらいいでしょうか?
その点を明日以降お話ししていこうと思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。