• 朝野裕一

運動に抵抗感をもつあなたへ:4〜自分の身体の現状を知る(6)

身体の状態を知る中で、可動域・可動性、筋出力やバランス能力、

全身の持久力とみてきましたが、残る要素はなんでしょうか。

それは俊敏性・敏捷性、アジリティとも言います。

同じ作業をするのに瞬時にできるのか時間がかかってしまうのか、

という課題です。

これは代表的な測定テストとして、反復横跳びというものがあります。

できるだけ素早く左右のラインをまたいで一定時間内で繰り返し何回

往復できるかを試すテストです。

しかしこのテストは、テスト実施時点で膝の靭帯損傷を起こす例が、

時折ですが起こるリスクがあります。

必ずしも危険なテストではありませんが、少なくとも普段運動を行って

いない特に高齢者の方には、適切なテストとは言えないでしょう。

では、

どういうテストが適当でしょう。

これは敏捷性を測るテストではないのですが、TUGテストというものが

あります(Timed Up & Go Test)。

3メートル感覚に椅子を二つ置いて、ゆったりと座った状態から、

もう一方の(3メートル先にある)椅子まで歩いて座るまでの時間を

測るテストです。

やり方は微妙に違いがあるようで、できるだけ早く行うケースと、

通常の歩く速度で行うものや、単に無理のない速さで行う、と規定する

ケースもあります。

しかしある程度高齢の方においては、敏捷的な要素もここに含まれるの

ではないかと思っています。

これは本来は、

転倒を誘発する運動器不安定症候群のリスク程度を知る有効なテストと

言われています。

転倒を予防する目安に利用できるわけです。

そして個人的に考えるには、

下肢の筋力や動的なバランス能力の要素とともに、ある程度の俊敏性も

測れるテストではないかということです。

どの程度の時間が正常と判断されるかも諸説ありますが、

概ね12秒程度とされています。

12秒間の間に、3メートル離れた椅子間を立って歩いて座ることが

できればまずまず合格という基準です。

いずれにしてもここで考えられることは、敏捷性には実は筋力もそうで

すしそれだけではなく静的・動的なバランス能力なども必要だ、という

ことです。

あなたがもし、

自分の能力を見誤って突然反復横跳びのようなテストで敏捷性を試すと

ケガをする可能性があるので、

無理をする必要はありませんが、

もし敏捷性を体感するとしたら、

例えば階段昇降するときなどにいつもよりちょっと素早くやってみよう

とか、

歩いている時にある距離を早足で歩いてみようなど、

日常生活の中で試す機会はたくさんあると思います。

動作をゆっくりと安定させて行うことは、安全のために必要なことです

が、ときにはいつも行う動作をちょっと素早く試してみる、

それらは敏捷性を自分なりに試すことのできる方法だと思います。

いつもやっている慣れた動作をちょっと早くやってみる、はあなたの

敏捷性を試すお手軽な方法だと思います(安全には十分注意して行なっ

てください)。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日