肘関節の造り〜運動を科楽する:第1章(7)
前回は、膝関節の構造について考えてみました。
今回は、肘関節の造り=構造をみてみましょう。
肘の関節を構成する骨は3つあります。
上腕骨(二の腕の骨)、尺骨それと橈骨です。
いわゆる肘関節とは主に上腕骨と尺骨から形成されています。
腕尺関節と呼ばれ形状は蝶番のようになっており、尺骨の突起が上腕骨
の窪んだところにはまり込んでいます(蝶番関節)。
一方の橈骨は、浅い窪みを持ち、上腕骨の頭の部分と浅い球関節様の
造りをしています(腕橈関節)。
なんだかちょっと複雑ですね。
肘が曲がったり伸びたりする動きは、先ほど書いたように主に上腕骨と
尺骨の間で決まります。
では腕橈関節はどういう動きに関係しているのでしょうか?
それは、手のひらを上下に回す動き=回外・回内に関与しています。
肘といっても、
それ以外の部分の動きに関与している関節もあるんですね。
さて、
肘関節に限って言えば、上腕骨と尺骨は蝶番のようにガッチリと噛み合
っているので、曲げ伸ばし以外の動きはほとんどみられません、
とは言っても、
内反・外反という動きがわずかに存在しています。
動きとは別に、
正常よりも内側を向いている肘を内反肘、外側に向いている肘を外反肘
と呼びます。
肘は、
ボールを投げたりする動きでしばしば内外反のストレスを受けるので、
内側と外側に補強する組織としてそれぞれ側副靭帯が付着しています。
野球肘と呼ばれる損傷は、内側側副靱帯の損傷がほとんどです。
大谷さんもそこを傷めて手術したわけです(トミー・ジョン手術)。
普段の肘の動かし方いかんによっては、膝と同様に靭帯の損傷が起きる
ことがあるということです。
構造についてはこのくらいにしておき、次からは膝と肘の機能における
類似点・相違点を探ってみたいと思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次回に。