手と足が複雑な構造のわけ〜運動を科楽する第1章(11)
手足がそれぞれの役割を持っていることをざっとお話ししました。
今日は、
その手足がとても複雑な構造を持っていることとそのわけについて考え
てみます。
実のところ、
考えるといっても大層なことを私はしていません。事実が語ってくれる
ことを少しわかりやすく提示できないかな、と思っているだけです。
さて、
手の構造から見ていきましょう。
手にはたくさんの骨があります。
計27個です(参考)。
一つ一つが関節を形成しているわけではありませんが、手首の関節を
抜くと全部で関節は手の中に19個あります。
当然筋肉もそれに見合ってたくさんあります。靭帯や支帯と呼ばれる
組織もあります。
なんで、
そんなに骨や関節や筋肉などがたくさんあるかといえば、それらを使っ
て複雑な動きを達成するためです。
手それ自体が複雑な動きをするのには、コミュニケーションのためも
あるでしょう。手や指でサインを示すことができます。
それと同時に、
なによりも道具などを器用に扱うという目的があります。
物を持つだけでも、その物の構造に合った持ち方というのがあり、
それらを巧みに行うことができます(参考1)。
重たい大きな石を持つのと、小石を持つのとでは手の使い方が違って
きます。
分厚い本を持つのと薄い紙切れを持つのとでも違います。
ハサミを使う、紐を結ぶ、ボタンを押す、ボタンをはめる、チャックを
止める、箸を使う、スプーンを持つなど、色々な道具を器用に使うこと
ができます。
逆に、
手の構造に合った使いやすい道具を発明しているとも言えるでしょう。
そのような細かい動きが必要だからこそ、多くの骨や関節があり、
たくさんの筋肉で調節しているんですね。
人類が獲得した手の器用さこそ、手の構造が複雑だからこそできたこと
です。
とここまで書きながら、
本当にそうなのか?という疑問が湧いてきました。
果たしてチンパンジーなどの手の構造とヒトの手の構造にはどんな違い
があるのか?詳しく知らないことに気づきました。
詳しい解剖学の知見は知らないのですが、少なくとも猿の時点では地上
よりも樹上生活が中心だったかもしれません。そうなると木の枝を掴ん
で、樹上を移動する能力が必要になります。そのために手の機能が発達
していったとも考えられます
まぁ、
構造的にそんなに猿と人では明らかな違いがないかもしれないという
ことです。見方によっては。
ではなぜ人類だけが器用に道具を使うことができたかというと、
その構造の範囲内で脳を発達させて使い方を学習していったのではない
か?というわけです。
この辺については詳しいことを知らないのでこれ以上は無責任なことを
言えないので、今後調べなければなりませんが、
結論として言えるのは、
手の構造は他の(腕や肩や股関節や膝などの)構造と異なり、細かい骨
と関節、筋肉などから構成され、他の部位にはない機能を必要として
いるから、というところまでです。
これは他の類人猿にも当てはまることです。
確かに猿も物を持ったり掴んだりしてそれを使うことができますね。
ただし、それらをそれ以上発展させることは人類ほどできません
(参考4)。
人類はそこからさらに大脳を発達させて、手の制御を精密にしていった
のかもしれません。
いずれにしても、
手の複雑な構造をうまく使うための機能を人類は身につけたということ
です。
足の話は明日にしましょう。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。