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執筆者の写真朝野裕一

単純な運動から始めてみる;筋肉と関節可動性の関係〜運動を科楽する:第2章(7)

筋肉は神経の指令があってはじめて収縮し、その力を関節という構造を

通して発揮します。

それがいわゆる骨格筋の筋力というものの背景です。

※顔面にある表情筋など一部の筋肉は状況がやや異なります※

私たちは、随意的に=意図を持って;関節を動かす時には、あんまり

深く考えずに行っています。

でも反射的な筋収縮とは違って、意思を伴います。

例えば肘を曲げようとすれば、その意思に伴って肘を曲げる筋肉が収縮

し、結果として思ったように肘は曲がります。

誰でもほとんど意識せずに行っているこのような単純な動きをもう一度

見直してみましょう。

なぜって?そこに神経ー筋の関係が一番わかりやすく現れるからです。

肘を曲げる時には、上腕二頭筋などの肘屈筋が働き、一方で肘を伸ばす

上腕三頭筋などの伸筋群はお休みしてもらわなければなりません。これ

が、(主)動(作)筋と拮抗筋の関係です。

一つの関節を曲げたり伸ばしたり、ちょっと意識してやってみる。

これは筋肉の収縮を神経の指令で行っているということを実感する一番

手っ取り早い方法です。

膝、足首、手首でも構いません。

股関節ならば色々な方向に動くので、方向を一つに決めて行ってみて

ください。屈伸や開閉など。

なるべく複合的な動きではない単純な動きをしてみましょう。

これは、関節の(自動;自分の意思で行うことを意味します)可動域の

運動になります。

ストレッチで可動域を広げるというのではなく、筋肉の収縮力(筋力)

を使っての運動です。

これを可動性と呼んできました。

複雑なあるいは様々な関節の複合的な動きの前に、それぞれの関節の

単純な動きを筋肉の収縮によって動かしてみる、という体験は、

いわゆる筋トレに進む前に行っておいたほうがいい練習だと思います。

なぜなら、

神経の命令が思うように筋肉に伝わり、反対の動きをする筋肉が十分に

弛緩=リラックスできているかを確かめることができる、

さらに、

他動的な関節可動域の範囲を無理なく(不必要な筋収縮を伴わずに)

楽に動かすことができるかどうか、を確かめられます。

もし、力んで動かさなければならないとすれば、可動域自体が狭まって

いることを示唆しますし、もしかしたら反対側の筋肉の緊張が取れて

いないかもしれませんし、さらには動かす筋肉の収縮力が極端に落ちて

いるのかもしれません。

そういったことに気づかせてくれる単純な関節運動は、複合的ないし

負荷のかかる筋トレを正しく行うための一つの前提条件になります。

要は、激しい筋トレを行う前に単純な関節運動をやってみよう、

ということです。

単関節(一つの関節)の運動ができたなら、次に複合的な関節からなる

脊柱の運動を一方向(曲げる・伸ばす。回す・傾けるなど)に自分で

動かしてみましょう。

意外と動かしづらいと感じるかもしれません。

できれば、

毎日何かの折で構いませんので、確かめてみることをお勧めします。

前に何回も言ったように、気が付いたら動きにくい、身体が硬くなって

いるということがしばしばありますから。

身体を硬くしないような予防的な効果+神経ー筋のユニットのメインテ

ナンスが期待できると思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また次回に。

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