必要条件としての筋力
筋肉が収縮して力を発するとき、筋力という言葉で表します。
筋力が必要なわけは、その力で身体を動かすからです。他に重力や、地面反力(地面からはね返ってくる力)、慣性力、摩擦力などを利用しています。
筋肉は、神経からの信号によって収縮します。
また、感覚神経の信号によって、収縮するかしないかや、収縮の程度を、半ば自動的に(反射的な場合もあります)調節されます。
単に最大の力だけで、その人の身体運動能力を測ることができないため、筋力は十分な条件とはならないのです。
しかし、必要な条件には変わりないので、その人が発揮できうる力としての評価はできます。
例えば、
100kgの物を持ち上げることができる人がいるとしましょう。
その人が10kgの物を持ち上げるのはたやすいことです。
最大の力のたった10%の力だけですむからです。
一方、10kgの物しか持ち上げられない人にとっては、10kgの物は持ち上げられるギリギリの重さです。
必ず持ち上げられるかどうかはわかりません。100%の力を出さなければならないからです。
しかも20kgの物は持ち上げられない。100kgの物を持ち上げることができる人は、たやすくできます。なんせ100kgのいわば出力機能を持っているわけですから。
このように、車の馬力と同じで、最大どれくらいまで可能かは、その車の性能を計る一つの条件でしかありません。
人も同様、筋力だけではその人の運動能力を測ることはできません。
とても重要な要素である筋力は、一方であくまで必要な条件の一つです。
今日も読んでいただきありがとうございます。また明日。