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朝野裕一

再確認!雪・氷の上の歩き方

ここ旭川@北海道もすっかり根雪になっています。

色々なところで既に話されているとは思いますが、ここで改めて、

自分の経験と物理的観点から冬道(雪・氷道)の歩き方について

考えてみましょう。

普通の歩き方で推奨されているのは、踵から地面についてしっかりと

踏み込んで前に進むというものです

地面に対して横滑りの力が一番働きやすいのは、この接地の瞬間と

足を離す瞬間(離踵期と言われます)です。

この接地期と離踵期は左右で同時に起こる瞬間があります(上図)。

この瞬間、

黄色で表した地面との摩擦力が通常は床を押した力の水平面上の力の

反作用力として働きます。

しかし氷や硬い雪の上ではどうでしょうか?

この摩擦力が、地面を押す力よりも小さくなると接地した部分;

この場合は踵や爪先;が前や後ろに滑る可能性が出てきます。

氷や硬い雪の上では、足が着いた時どんな現象が起きているかというと

瞬間的に表面が溶けて水になります。そうすると、摩擦力が極端に

少なくなります〜スケートが滑る理由もこの理屈です〜。

その瞬間、ツルリン!と転ぶ可能性が高まるわけです。

ではどうしたらいいのか?

先ほどの絵図の茶色で示した前方(踵をついた瞬間)あるいは後方

(踵をを上げた後爪先を離す瞬間)への力を、できるだけ少なく

することです。

具体的にどう歩くか?

できるだけ推進力を犠牲にしてでも、地面の真上から足を乗せていく

ような歩き方が推奨されます。その時後ろに残った足もなるべく地面に

垂直の状態で支えます。

こうすることによって、地面上に起こる横の力(地面を押す力の

水平面上の成分;推進力=摩擦力も)を少なくすることができます。

※先ほど言った氷や硬い雪の上での瞬間的な水の発生は、気温

(地面の温度も)が低い程起きづらくなるため、非常に寒い日

(氷点下20℃以下など)には滑りづらくなります※

氷や硬い雪の上で一旦転んでしまうと、下手をすると大腿骨頸部骨折

や手首の上の骨(橈骨の遠位端)の骨折(コレス骨折 Colles's fracture

と呼ばれています)を起こしてしまい、リハビリ等に非常に時間が

かかり、日常生活に戻るのにも時間を必要とする場合もあるので、

要注意です。みなさん冬道での歩行は気をつけてくださいね。

今日も読んでいただきありがとうございました。ではまた明日。

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