Journey to the Exercise World:Vol.4
全く前が見えない。煙の中を這って移動しながら、どこが出口か分からず、焦りばかりが…
まだ時々揺れもあるようだ。
方向を見失った!まずい!
ハーイ、ここまでです。もう外していいですよー。
そうだった!これは防災訓練だった。VR(ヴァーチャル・リアリティ)で体験する。
あまりにリアルで(だからヴァーチャルなんだけれど)この世界に入りすぎて、自分がHMD(ヘッド・マウンティッド・ディスプレイ)を被っていたことも忘れていた。
・・・・・
なんでこんな時間に会議をしなきゃならないんだー。まだ朝の3時か?
VMRと書かれた部屋に入る。
今日はと…ニューヨークとニューデリーとキンシャサ、香港、ジャカルタかー。
いちいち顔を合わせる必要あるかなー?まぁでも一堂に会することはこうでもしなきゃ無理か。
しかしこの時間ばかりは何とかして欲しいもんだ。回り板とはいえ…
次々チェックイン(ホテルじゃあるまいし、でもいつしかこう呼ばれてる)して来たぞ。
東京は早朝の3時半。月例の会議VM(ヴァーチャル・ミーティング)が始まる。
ちなみにさっきのVMRはヴァーチャル・ミーティング・ルーム、要は会議室だ、VM用の。
・・・・・
あれーッ!久しぶりに来たらいつの間にか。新しいビルが建ってるー。
確かあれは、3年前だったかなー?
もっと小ぶりな、5階建てのビルだったはずが…
どんどん街が変わっていってるなぁー。
どれどれ3年前のここは…と。
あぁ、やっぱりここでいいんだ。
スマホをかざして何やらアプリを立ち上げると、3年前の今正面にある空間が再現される。
これなら、時間の問題をある程度、少なくとも過去に向けては、ヴァーチャルに移動できるなー。一方向はタイムマシンが実現だ!
・・・・・
じっとりと冷や汗と震え、めまいを感じる。一歩も前に進めない。
幅10cmの板を、地上何メートルだ?20mくらいだろうか。渡るなんて、何のために?
気を取り直して、しゃがんですくんでいた姿勢を変え、立ち上がってみたが…
おかしいなぁ、地上に10cm幅の線を引いた中は簡単に歩けたのに。
よしッ!進もう!と思った瞬間、バランスを崩し…アァ〜もうダメだと思った瞬間、VR空間だったことに気がついた。
・・・・・
VR/AR体験の近未来(もうかなり始まっているが)より。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。明日この解説を。
ではまた。