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朝野裕一

カラダの動きの自由度をどう確保するか?

日常生活の中で、色々な場面に出くわすときに、カラダの動きの自由度

はとても必要なことです。

動きの相転移という話をしてきましたが、

これにはスクワットの話の中で自分が追いつけない速度や繰り返して

行うことによる疲労によって、

図らずとも動きが変容してしまった例を出しました。

それは、

動きの自由度が許されない状況に至る場面を意図的に作った結果です。

カラダの柔軟性や筋力、バランス能力に衰えを起こすと、この自由度が

損なわれてきます。

例えば、

椅子から立ち上がる時を考えてみましょう。

ゆっくりでも、素早くでも立ち上がれれば、急な対応を求められた時

自由にその動きを選択することができます。

しかし、立ち上がり動作自体がやっとできるレベルのカラダの状態

だとすると、そうはいきません。

下肢の筋力が伴わなければ、以前にも話しましたが、立ち上がる動作の

パワー(仕事効率)=力×速度の速度の部分を上げるしかありません。

そこで、

素早い動作でなんとか立ち上がる、その代わりに立った時のバランス

を犠牲にすることになります。

この画像をご覧ください↓

力もバランス能力も十分にある対象者で行なった、できるだけ素早く

立つ動作(手はあえて使わせないで実施)を見ると、

素早く立った後にバランスを保つことが必要だとわかります(後ろに

倒れそうになっていますね)。

何らかの病気・傷害などで下肢の筋力が低下してしまうと、結果として

運動の自由度は減少します。

歳をとることでも、それは程度の差こそあれ生じてきます。

ですから、

スクワットなどの筋力トレーニングなどが勧められるわけですね。

スクワットをできるだけ速く、あるいは何百回も連続して行なって

疲労させるということをしてきたのは、その結果現れる運動の変容が

カラダの柔軟性や筋力、バランス能力が低下した状態を再現するモデル

になるのではと思ったからです。

今度はこれをご覧ください↓

左側が素早く行なっている時(5/6秒で完結)を1秒完結にスロー編集

したもの 、右は1秒完結を500回連続で行なった最後の部分です。

どちらも立ち上がり部分で、下肢の筋力を十分に使えず、立った時の

バランスも低下しているのがわかるかと思います。

ある意味、

加齢モデルを意図的に作っています

この場合は、

速度や疲労の影響による動きの相転移を表していたのですが、

ここに至ると運動の自由度を失った状態と捉えることもできるわけです

椅子から立ち上がる動作一つとってみても、いかにカラダの動きの

自由度を保つ必要があるか、がわかると思います。

そして、どういうことに気をつけて生活していったらいいかが見えて

くるのではないでしょうか。

続きの話はまた明日に。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。ごきげんよう。

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