(松葉)杖の使い方、整理してみましょう!
昨日記者会見に臨んだ羽生弓弦選手、壇上に登るときアッ!と思わず
声を出してしまいそうになりました
なぜって?
両方でついていた松葉杖を片方だけにして、壇上をケンケンで上がって
きたからです。
きっと壇上までの階段が狭くて二本の松葉杖をつくことができず、
咄嗟に片方の杖だけで飛び乗ったのでしょう。
運動能力に優れている羽生選手ですから、間違いはないのでしょうが
それにしても危ないなぁと思ったわけです。
彼はいま歩き方をみると、怪我をしてしまった右足関節をかばうために
免荷(体重を一切かけない状態を言います)状態で歩いていました。
ですから本来は二本の松葉杖で右足に体重が全くかからない状態での
歩きが一番安全なのでしょう。
詳しい医学的情報がないのでそう解釈します。
もし万が一、右足に全く体重をかけられない状態で、(松葉)杖が
一本しか無かったとしましょう。
さてどちらに杖をつきますか?
庇う反対側につくんでしょう?
と答えた方は、ある程度杖の使い方をご存知の方かもしれません。
ですが答えは違います。
免荷状態で一本の杖であれば、
右足を庇うためには右につくのが正解です。
なぜって?右の杖が右足(脚)の代わりをしてくれるからです。
こんな感じです↓

しかし、
ここから少しややこしくなるのですが、もし右足にある程度の体重を
(全体重ではなく)かけても良いとなればどうでしょうか?
そうなると話は変わってきます。
庇いたい側への重心移動を少なくするために、反対側に杖をついて、
重心が落ちる(基底)面を広げます
こんな感じです↓

たまたま腕の怪我が反対になっているのでこれまたややこしくなるの
ですが、それはこの際考えないで行きましょう。
でも、
いまだに海外や日本のドラマなどを見ていると、一本の杖を庇いたい側
について歩く姿を見受けます。
反対なんだがなぁといつも思ってしまう。その延長上で、ついつい体重
を全くかけられない状態の時と混同してしまうケースがあるのではない
かと思います。
我々のような専門家(理学療法士)の中でも、勘違いする場合がある
ようですから、一般の人にはより分かりづらいかもしれません。
まとめるとこんな感じでしょうか?

皆さんも、今一度杖のつき方をよく考えてみてくださいね。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。
それにしても転ばないところはさすが!と言うべきか羽生選手。