• 朝野裕一

重力の洗礼:乳児期の運動発達概要

運動発達の最初の最初は、新生児期(生まれて28日以内)を含む乳児期

(1歳未満)から始まります。

この時何が起こるかを大変大雑把に言えば、

今まではお母さんの羊水の中で浮かんでいた赤ちゃんが、いきなり地球

上の重力の元に置かれるということになります。

大変な刺激だと思います。

つまり重力のいわば洗礼を受けるわけです。重力との格闘と言っても

いいかもしれませんし、あるいは重力への適応と言ってもいいかも

しれません。

この間に赤ちゃんは、まずは主に二次元状の動きを中心として行おうと

します。

もちろん仰向けで反り返ったり、逆に重力に逆らって手足を丸めたり

という三次元状の動きも行いますが、まずは床面状にある自分の身体を

二次元的に操作することを学びます

その間に、

大人になってからはまず出ない(抑制される)反射的な動きなども様々

示しながら、発達していきます。

床面状を動く最初は寝返り動作からです。ゴロゴロと寝返りを繰り返し

て、床面状を移動します。

寝返りが行われるとうつ伏せ状態を体験します。この頃の赤ちゃんでは

頭が身体に比べて相対的に大きいため、とても重たい頭をどう操作する

かを学びます。

うつ伏せで頭と上半身を起こす動きです。上半身を起こせるようになる

と、肘や手を使って身体を支えることを会得していきます。

同時に手足の交互運動などを空中で行なっていたものが、ハイハイ

という移動手段を獲得することに繋がっていきます。

手足を交互に前に出して進む方法ですね。

四つ足動物のようにまずはそういった移動を可能にします。

また自分で座る姿勢を保つことも覚えていきます。

これには先ほどの頭の重さを重力に逆らって支える必要があり、これが

いわゆる首の座りというものです。

そこからは多少なりとも個人差があるのですが、何かに捕まって立とう

とし始め、ついにはつかまり立ちを覚えます。

二足歩行の前段階状態ですね。

ヒトは、

1歳前後で人類特有の二足歩行をなんとか覚えると言われています。

これには先ほど言ったような個人差が少なからずあります。

この過程で最も重要なのが最初に言った、重力との折り合いをどうつけ

ていくかという課題です。

そのために、体幹部の柔軟性と安定性が培われていきます。

体幹部が安定することで初めて手足を自由に動かす(使う)ことが

できるようになっていきます。

ここまで、

ザーッと乳児期の運動発達の要素を簡潔にお話ししてきました。

その時どういう身体感覚を感じていたのだろうと思うのですが、

思い出したくても思い出せません。

実際赤ちゃん目線でどう感じているか、今ならばVRなどを駆使して

再体験できるかもしれませんね。

とにかく、

生まれてすぐに重力という刺激にどう対処するかという難しい課題

を与えられた赤ちゃんは、生きるために必死にでも必ずしも辛そうでは

なく、失敗を繰り返しながらトライを続けていきます。

なんかちょっと見習いたい感じもしますね。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

赤ちゃんの無欲(?)の試行錯誤に運動へ取り組むときのヒントが

たくさん隠されているような気がします。ではまた明日。