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  • 朝野裕一

身体の動きと脳科学

身体を巧みに動かす能力はスキルと呼ばれています。これは反復した

練習によって培われていくものですが、スキルが完成されていくと、

こう反応しようとか考える前に、身体が動くという現象が起きます。

こういった脳の働きを現在は様々な端末機器によって身体の動きを捕捉

できるので、

脳の働きを間接的に想像することが可能になってきました。

先日、

FOOT×BRAINという番組を観ていたら、スポーツの素晴らしいパフォー

マンスと脳科学というテーマで、特集が組まれていました。

主に野球のバッティングの分析について語られていましたが、

わずが 0.4 秒という短い時間の中で、脳が反応するための時間はさらに

少なく 0.2 秒とされています。

その間に、

ストレートやカーブなどどんな球種にもついていけるバッターの反応を

分析していました。

結論としては、

考えている間はないということと、一流のバッターは球種の見極めに

応じた反応ができており、

それは球が動く軌道を先取りして目が追っている、すなわちボールが

来るちょっと前手前の位置を予測して、目が追っているという結果が

出ていました。

もちろん一流のバッターなので、そこに至るまでにかず多くの練習を

積んだ結果がそうである、ということです。

最初はよく考えながら練習をしていき、最終的には状況や環境に応じた

決まりきいっていない身体の動きを表出することが可能になる、

といったことを示唆していました。

最終的にバットを振る身体の動きには筋肉の収縮が秘帖ですが、筋肉の

トレーニングだけしてもできるわけではない。

スポーツ固有のスキルは、筋肉を鍛えるというよりは脳を鍛えている、

ということです。

このことは、

スポーツに限ったことではなく、体を動かすこと全般に当てはまる事実

です。

このブログでも何度も書いてきましたが、身体を動かす原動力は筋力

ですが、筋肉を動かすのは脳を含む神経の働きによってなされます。

つまり、

身体を動かすことは脳を働かす、脳を鍛えることに結びつくわけです。

身体を動かすエンジンたる筋肉。

筋肉を鍛える筋力トレーニング=脳のトレーニングというのはそういう

理由からです。

ちなみにこのスキル、一番発達するのは5歳から10歳くらいまでが一番

大きいと言われています。

身体を様々な環境で色々な形で動かすことは、子どもの神経の発達に

沿った必要なことです。

外での遊びが子どもの発達にとって、とても重要と言われる所以です。

もちろん大人になってからも、練習をする意味がないわけでは

ありません。

子供よりは頭を使って考える時期(フェーズ)が多く、試行錯誤をしな

がらできる、という利点もありそうです。

自分の練習の効果や結果をフィードバックして考え次へ生かすことは、

大人だからこそできることだと思います。

あなたが今(年齢が)いくつかには関係なく、トライするだけの意味は

ありそうです。

日常生活場面・環境で、自分の身体をいかに動かすかは、神経のトレー

ニンング、ひいては脳のトレーニングになり、認知症や転倒などの予防

にもつながることでしょう。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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