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執筆者の写真朝野裕一

膝関節と肘関節の似ているところ/違うところ;構造編〜運動を科楽する:第1章(6)

下肢と上肢で曲げ伸ばしに大きな可動域を持つ膝関節と肘関節。

その構造の類似点と相違点について考えてみましょう。

実は、

構造に関してはほとんど似ているところはありません。

強いて言えば、

どちらの関節も3つの骨が関わっているということでしょうか?

膝関節は太ももの骨である大腿骨とスネの骨である脛骨さらにその横に

存在する腓骨という骨からなっています。

肘関節には、二の腕の骨である上腕骨、前腕と言われる部分に、

尺骨と橈骨という二つの骨が存在しています。

厳密に言うと、

腓骨は膝関節には直接関わってはいません。

それに対して、

肘関節の場合、主に上腕骨と尺骨が肘の可動域を成り立たせており、

橈骨は前腕の回旋運動=回内・回外と言います、に関わっています。

ですから、

似ているところは関節自体の構造=見かけの造り、ではほとんどない

ということになります。

あえて、

類似点をもう一つ付け加えれば、両方の関節とも複数の靭帯で補強され

ているということでしょう。

膝関節には前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靱帯・外側側副靭帯

と言われる4つの靭帯が関与しています。

対する肘関節にも内側側副靱帯と外側側副靭帯があります。

前回、肘の故障の中で頻度が高いものに内側側副靭帯損傷があると

書きましたね。

さらに、

膝関節には内側と外側に半月板というクッション様の構造物が存在して

います。

この半月板が、

クッションの作用とともに、膝関節の適合性を補強もしています。

どういうことでしょうか?

膝関節は股関節と違い、突出部とその受け皿というハマりのいい=適合

性のいい構造をしていません。

構造を見ると一目瞭然なのですが、骨(大腿骨と脛骨)を見るとまるで

凸と凸のような構造になっています

これでは全然安定しませんよね。

そこで半月板というクッションがそのハマりを保証(補強)しています

さらに、

主たる4つの靭帯が関節の安定性を補っています。

そんなわけで、

膝関節が外から大きなダメージを食らうと、靭帯や半月板が傷むケガを

するという具合です。

なお、膝関節の構造は顆状関節と呼ばれています。

さて、

一方の肘関節はどうでしょうか?次回にお話ししたいと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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