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  • 朝野裕一

関節の適合性と遊び〜関節の機能を再獲得するにあたって・3

関節の機能にとってまず第一番目に大切なことは、関節の可動域と

可動性です。

ここで、

関節がスムーズに動くということはどういうことなんだろう?

逆に、

関節の動きが制限されるのは何故なのだろう?

といったことに目を向けてみたいと思います。

詳しい話をするときりがないので、かなり端折った話になるかもしれ

ませんが、大筋は外さずにお話ししたいと思います。

まず今回は、関節の遊びと適合性についてのお話です。

※関節可動域の制限因子は様々あって、これはまた別の機会にお話し

したいと思っています※

ヒトの関節はその部位によって色々な形状をしていますが、それは動き

と役割に沿った形になっています。

ここでは、

肩関節や股関節にみられる球状の関節(球関節と言います)について

考えてみましょう。

通常(これは球関節に限りません)関節には適度な遊びがあります。

※仙腸関節など特別な場合は必ずしも当てはまりません※

関節の遊びはそのまま英語でも、joint playと言われています。

この遊びがあるおかげで、ある程度関節内で色々な方向にわずかに動く

ことが可能です。

軟骨(はレントゲン上写りませんのでそこが隙間に見えます)の部分を

含めた関節の隙間と、関節の遊びは対応していると考えられ、適度な

隙間と遊びが関節の動きを保証しています。

これが隙間が減少して遊びが減少すると、窮屈な関節になってしまい

結果として可動域の減少・制限となって表れます。

もう一つ、

球関節の場合特にわかりやすいのですが、受け皿と丸い骨頭の適合性

が関節の動きと関係してきます。

まぁ要は、ピッタリと合っているかそうでないかの問題です。

先ほど適度な隙間と言いましたが、これが均等でないと適合性が良く

ありません。

例えば、受け皿の形状と骨頭の形状がマッチしていない場合などが、

それに当てはまります。

受け皿が浅くてすっぽりと骨頭を覆う形になっていないと、どうしても

隙間の狭い部分と広い部分が生じてしまい、狭い部分に体重などの負担

が加わると軟骨を傷める原因になったりします。

※時には逆に、関節の不安定性を増長してしまう場合もあります※

また、

骨頭側がまん丸の形状でない(極端に言うとデコボコしている)と、

受け皿とピッタリ合わないために適合性が不良となっていまします。

どちらにしても、

骨頭のスムーズな動きの邪魔をすることになって、結果的に関節の動き

を制限する原因になり得ます。

まとめると、

関節の動きを保証する要因として

関節の遊び適合性があるということになります。

今日はこのくらいにして、

明日は引き続き球関節を例にとって、関節がスムーズに動くとは

どういう要素からなっているのかを考えていきたいと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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