Journey to the Exercise World :Vol.1
ーみなさま、こんにちは。本日はスペース JEXW をご利用いただき、
誠にありがとうございます。これからみなさまをエクササイズの世界へ
ご案内申し上げます。
わたくし本日担当させていただく、アンドロイドJ (ジェイ) 製造番号
0202000451でございます。どうかよろしくお願いいたします。
ご用の際にはいつでも伺いますので、お手元の緑のボタンを押して
お知らせください。
みなさま、どうか楽しいひと時をお過ごしください。ー

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ドバイ宇宙空港から飛び立ったJX20号は地球を1周して戻って来る
定期便だ。時は2025年、乗客乗員計14名を乗せて(乗客は8人)無事
発射して、軌道に乗るこのロケットに乗っているのは、無重力空間での
トライアウトに合格した者だけだ。
その中にTAKASHI(40歳)もいた。
たった最大30分間(通常は20分)の無重力体験をするためだけに皆
乗っている。贅沢といえば贅沢なものだ。しかし、TAKASHIの場合、
自分で料金は払っていない。だからいくらするかも本当のところ
知らないのだ 。彼はエクササイズ普及財団の派遣応募をクリアして、
この機に乗っている。
目的は、微小重力空間におけるヒトの身体運動感覚についての研究に
あり、その一環としての体験ツアーに参加しているというわけだ。
他の乗客が皆そのツアー参加者かどうかもわからない。
一切の情報交換や会話は飛行中(なぜだか)禁じられているのだ。
しかも乗る時はそれぞれお互いが出会うことなく、4畳半程度の個室
になっている空間に案内されて扉を閉められる。勿論各室にモニター
が設置され案内 (CA) 役のアンドロイドの様子を見ることができる。
一方で室内カメラによって乗員から常に監視されてもいる。
とにかく全てがまだ謎に包まれている宇宙空間体験なのだ。
噂によると、地球1周体験で約1時間半に数百万円かかると言われて
いるが、正式には料金自体が開示されていない。
とにかく全てが謎(なぜ謎ににしているかも謎)なのだ。
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ーこれより当機は無重力状態に入ります。おってご案内申し上げます
ので、それまではどうかハーネスを外さぬようご注意ください。ー
滑らかな仕草と口調のアンドロイドが喋っている。
2010年代より数段精緻で、ちょっと見では人間と区別がつかない。
色々な社会問題も出てきているようだが、これから始まる微小重力
(正確に言うとこうだ)体験に向けて集中しようとTAKASHIは改めて
心に決めて雑念を払った。
ーお待たせいたしました。これより約20分間は無重力体験をお楽しみ
いただけます。ハーネスを外す際は慎重にゆっくりと外してください。
とアンドロイド CA の声。
ゆっくり慎重に・・・
この体験のために、地上や水中で、身体操作や平衡感覚のトレーニング
を受けてきたことを思い出しながら、肩からかかっているハーネスを
外すTAKASHI。
まず行うことは、身体を丸めて同じ場所で回る動きだ。
しかし宙に浮いてから身体を丸めることがまず難しい。
したがって、ハーネスを外しつつ身体が浮いてしまう前に丸める動作を
同時に始めて、完了させなければならない。
よしっ、うまくいったぞ!
TAKASHIは心の中でガッツポーズ。
身体を丸めていよいよ真の3次元身体運動体験だ。
しかししかし・・・あれーっ?!

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さて、
果たして微小重力空間での身体を丸めての回転動作はうまくいくので
しょうか?みなさん少し想像してみてください。この続きは明日に。
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一話完結のはずが・・・
筆力のなさを実感しつつ、この顛末は明日に続きます。すみません。
しばらくは・・・
こんな感じで試行してみます。

今日も読んでいただきありがとうございました。また明日。