• 朝野裕一

連鎖(連動)の仕組み

昨日は大分直観的な書き方になってしまいましたが、今日はもう少し

掘り下げてみたいと(どこまでできるか・・・?)思っています。

スクワットをずーっと例に出してきたので、

そのまま続けたいと思います。

スクワットは一連の動作、

立ったところから膝などを曲げて沈み込む=重心を下げていく、

そこからまた元の立位に戻る=膝などを伸ばしていく、から

成り立っています。

上の図で一番左の、そのまま下に下がる動きは、膝の曲がりに伴って

自然と(意識せずとも結果的に)股関節も曲がってくるという状態。

これには取り立てて股・膝・足関節の連動性を意識することなく行える

と思います。

一般的に勧められるスクワット、

真ん中の股関節も意識して曲げる(結果として上半身がお辞儀する形

になる)スクワットは、下肢三関節の連動性を必要とする動きです。

そこで働く各筋群は協働的(synergestic)と言えるでしょう。

この場合、何を協働作業の指標として動いているのでしょう?

諸説あるのですが、一つの説としては、動かす部分の質量の中心

(必ずしも重心とは一致しない;動く部分の重さの中心だから)

=COM(center of mass)だというものです。

この質量中心をいかに動かすか、

そのためには体重支持とバランス保持を制御できないといけません。

なぜなら、それができないと立っていることを維持できなくなり、

転んでしまうからです。

スクワット中に転んでしまっては、運動が達成できません。

この(体重支持とバランス保持の)制御を司る部分がその動作を達成

させるための様々な協働筋群に命令をしている、という考え方

(モデル)です。

命令を発する部分が中枢神経系(脳だけとは限りません)です。

そういう意味では中央制御室があるわけなんですが、一つ一つの筋に

細かい指令を出すというよりは、目標となる体重支持とバランス保持

を達成するためのユニット的な指令とでもいうのでしょうか、

を出しているというものです。

何だかややこしいぞ、

とお思いでしょうがもう少しお付き合いください。

上図で言うと、中央制御室は大脳皮質から(描いていませんが)脳幹

や小脳、脊髄などを含みます。

合わせて受容器からの感覚フィードバックによりさらに調節を施す、

そんなシステムになっていると。

もう一度言いますが、中央制御室といえども、一つ一つの筋肉の働き

を独立して制御しているわけではなく、自律的なシステムとして他の

筋と機能的に結びついた協応的な構造をしており、それが

協働(synergy)といわれるものであり、達成目標が体重の支持と

バランスの保持で、システムを動かす指標担っていると言うことです

う〜ん?わかりづらいなぁ?

スクワットに話を戻すと、

一般的に勧められているスクワット動作を行うために、下肢の関節が

協働作業をしなければなりません。

でも、一々股関節は何度に曲げてそれと同時に膝を・・・とかを

別々に指令していると、一連の動作にならずちぐはぐになってしまう

スムーズにできない、一定の速度で行えないなど大変非効率で、

場合によってはバランスを崩してしまうかもしれません。

なので、

重心や体の部分の重さの中心をうまくコントロールしながら、

体重を支えかつバランスを保つというユニット化された指令によって

多くの関節(筋肉)が協働(synergy)作業できるようになっている。

と言うわけなんです。

そして、そこにフィードバック情報が入ることでさらに調整を図る

ことができる→練習効果が発揮され得る、となります。

では、

この一連の協働作業がうまくいかない、崩れてしまうというときは、

どんな状況でしょうか?

一つには時間という変数が関係しているのではないかと考えました。

そこで、

色々なスピードでスクワットを試行してみました。

これについては明日ビデオを見ながら考えてみましょう。

今日の話が何言っているんだかわかんない、という方にも明日のビデオ

で、感覚的にはわかってもらえるかなぁ?と思っています。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

(参考文献;(1)「モーターコントロール(原著第4版)」

Anne Shumway-Cook,Marjorie H. Woollacott・著、田中繁、高橋明・訳

、医歯薬出版、2013.;(2)「複雑系としての身体運動」山本裕二・著、

東京大学出版会、2005.)