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朝野裕一

動きの顔が変わる時〜動きの相転移:2

昨日、トレイルラン(ニング)の話を最後にしました。

登り下りのある山野を走り抜ける競技です。

大会によって走る距離は様々ですが、中には100km以上のものや、

420kmもの距離を8日間の時間制限内で行うものもあります。

平地を走るだけではなく、起伏のある坂道を登ったり下ったりと、

瞬発的な要素と持久的な要素のいずれもが必要な競技です。

以前、この競技で優秀な成績を収めている選手に関するこんな話を

聞いたことがあります。

それは、平地での持久走では大した記録が出ていないにも関わらず、

トレイルランになると抜群の能力を発揮しているということです。

この選手の何がトレイルランに適している要因(能力)なのか?

よくわからないという話です。

昨日のブログを何気なく書いていて、きっとこの選手は、

瞬発系と持久系のバランスが他の選手より優れているのでは?

と思いました。

瞬発系の能力・持久系の能力それぞれだけをみても、さほど優れた能力

には見えなくても、両方の能力をそこそこ備えていると、競技によって

は、優れた記録をはじき出せるのではないでしょうか?

クロスカントリー・スキーなども、コースには必ず登り下りがあるので

単に持久系の能力があるだけでは対処できないと思います。

急な上り坂で次々に他の選手に追い抜かれてしまうかもしれません。

場合によっては、そこそこどちらの能力も鍛えていくことで、

花開く競技もあるんだなぁと考えていました。

動きの相転移の話が少しずれてしまったかもしれません。

そこで、スポーツ競技のことは置いておくとして、日常生活の中では

どうでしょうか?

昨日は同じ行為;前に進むとか字を書くとか;についてその状況次第で

カラダの動きは大きく変わっていくというお話でしたね。

それを相転移という言葉で表してきました。

今回は、この言葉をもっと広く捉えてみましょう。

そうすると、

日常生活でのカラダの動きにも、多くの相転移があると思います。

棚の下にあるものを取ろうと屈む(かがむ)時、「痛っ!」と腰に

違和感を感じそうと思ったら、すかさずしゃがみ込みに転換する。

これは、厳密にいうと相転移とは異なる現象かもしれません。

でもここでは、ここだけ・今だけは広めに使ってみましょう。

目的は同じ動き(task)であるにも関わらず、動き方を変換する場合

についてです。

棚(ばっかり)の上のものを取ろうとしても手が届かない、その瞬間

踵を上げて背伸びをします。

床に座って足の爪を切ろうとするが、太ももの裏が突っ張る!

と感じたら、膝を曲げて手を足先に届かせようとする。

ここから、

色々なことが考えられます。

運動の自由度の面で考えれば、どんな方法でも目的とする運動(作業;

task)ができる、これが一番どんな状況にも対応できる理想です。

でも、人によって、また環境によってある動きしかできない・

許されないということがあるでしょう。

その人が持つ身体的な特徴(カラダが硬いなど)によって、動きを変換

させ(ざ)る(を得ない)、狭い環境下で目的を達するための動きを

見つける、など。

そう考えると、カラダの柔軟性(可動域・可動性)や筋力、

バランス能力などを日頃から維持しておくことが、日常の動きを

快適にかつ安定して行うことにつながるのではないでしょうか。

昨日書いた動きの相転移とはちょっと意味合いが違うかもしれませんが

同じ目的に対する動きのバリエーション(自由度)を持つ

ということでは、

相転移を可能にさせる準備というものもあるのかもしれないなと、

感じているところです。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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