関節の動く範囲〜床から立ち上がる
更新日:2020年10月6日
上半身(上部体幹)の捻りの動き(動く範囲)は起き上がる時だけ
ではなく、向きを変えたり振り向いたりする場面では常に求められる
ものです。そのことは以前にも何回か書いたと思います。
さて日常生活に戻りますが、
朝起き上がった後次にどうするでしょうか?ベッドの場合はそこから
立ち上がる→椅子などからの立ち上がり動作につながるでしょう。
このことも以前に、
椅子からの立ち上がりに関して色々書きましたので、そちらなどを
ご覧ください。
では、
ベッドではなく床に布団を敷いている場合は(日本では今でも多いと
思います)どうでしょうか?
やはり床から、
たとえ朝寝ぼけていたとしても、何とか立ち上がろうとするでしょう。
その方法は・・・

これも実は千差万別で、
色々なやり方があります。代表的なものだけ示してみると、次のようになります。
比較的膝の力がしっかりとしていると、手を使わずに(上の図)そのまま上に立ち上がる、和式で着物を着た茶道などの場面でも見られるパターンです。
そこまで上手くできないと、手の助けが必要になります(下の図)
いわゆる高這い位になって、そこから上半身を起こすパターンです。
手を使わない場合は明らかに膝の曲がる角度と膝を伸ばす筋力が充分
でないとできません。
膝の曲がりに制限が生じると、どうしても手を使った高這い位のパタ
ーンに近い方法で行うと思います。
膝立ちになってから物に捕まって立ち上がるパターンもありますが、
何れにしても膝の動き(関節可動域)と筋力、痛みの有無が関係して
きますね。

床に座っている状態から立つまでには、かなり重心を上に移動させる必要があるので、床からの立ち上がり動作は、最も難しい(物理的仕事としては)動作にもなります。
これに限らず、起き上がりや椅子からの立ち上がりも、重力に逆らって重心を上に移動させる動きなので、物理的な仕事量は大きくなり、動作としても難易(困難)度が高いものになります。
朝起きて立ち上がるまでに、かなりの数の関節の動き(可動範囲)と
関節周りの筋力が必要とされている、ということなんですね。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。