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朝野裕一

転がりと滑りの動き〜関節の機能を再獲得するにあたって・4

昨日は、関節の正常な動きのためには、適合と遊びが必要というお話を

しました。

今日はその条件のもと、どのような動きをするのか、というお話です。

それは転がりと滑りです。

今回も球関節を例に考えてみます。

骨頭の丸い形状はそれ自体としては、転がる性質を持っています。

骨頭部分だけを床に置いて押すと転がります。

こんな感じですね↑

もう一つの動きとして滑りというものがあります。

ちょうど、カーリングのストーンが氷の上を滑るイメージです↑

球関節のなかで骨頭が動くときは回転運動になります。

しかし、コマのように中心にある軸の周りを回るようには動けません。

中心に軸が通っているわけではないので。

では、

どうやって回転するのでしょう?

それが先ほどの転がりと滑りです。

もし、

骨頭が転がる動きだけならばどうるでしょうか?

上のように、

受け皿の中を転がって外に出てしまうような動きになります。

もし、

滑りだけだとどうなるでしょう?

上図のように、

やはり受け皿に沿って滑り落ちるような動きになってしまいます。

ところがこの両方の動き=転がり+滑りがうまく組み合わされると、

上のように、

骨頭の中心周りに回転運動をしてくれます。転がると同時に滑り常に

中心が保たれる、そんな感じで動いてくれます。

ですから、

うまく転がる余地(関節の隙間)と滑る余地(遊び)が必要だという

ことで、昨日のお話とリンクしてくるわけです。

昨日は関節側の環境要因を定義し、今日はその環境下での実際の動き

を説明しました。

関節がその可動域を保つためには、適合性と程度な隙間と遊び、

さらには転がりと滑りの複合運動が必要ですというお話でした。

この転がりと滑りの動きを再現するために、関節のモビライゼーション

などの手技があります。

そのことについては、また明日以降にお話しようと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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