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朝野裕一

柔らかい力、しなやかな力とは?:5

身体をスムーズに柔らかくしなやかに動かすためには、どうしたらいい

かについて考えています。

身体を動かすには、主にその役割を担う主動作筋とそれに抵抗する拮抗

筋の作用を考えなければなりません。

身体をスムーズに動かすには、拮抗筋がリラックスして弛緩しなければ

なりません。

ところが、

拮抗筋が硬くて縮んでいると、動きの途中でつっぱりが強くなり、

動きが早ければ早いほど、伸張反射的に不必要な拮抗筋の収縮が生じて

しまう。

そうすると、

動きは途中で減速してしまいます。

これはある意味、

筋肉や関節を傷めないために必要な現象でもあります。

その代わりに、

スムーズな動きは制限されてしまいます。

そこで、

筋肉の柔らかさ、伸張度(よく伸びる性質)を保つ必要が出てきます。

いわば、

関節の可動性(自動運動;筋肉を使った関節の動きのこと;をスムーズ

に行える性質のこと、と定義しています)を保つことが重要だという

わけです。

そして、

そこで発揮される力こそが、柔らかい力、しなやかな力となります。

硬くて強い力に対する、風に吹かれる柳の枝のような柔らかいしなやか

なイメージです。

筋肉自体の柔らかさ、伸張度が保たれていないと達成できない力の発揮

能力です。

ですから、

イチローさんは念入りに身体のコンディショニングとして、可動性の

練習を繰り返し行なっていたんだと思います。

あの素晴らしいパフォーマンス、ダイナミックだがしなやかな動きを

保証していたのが、柔らかな力、しなやかな力だったんですね。

そして、

大きなケガが少なかった道理です。

一言で筋力といってもただ力が強いというわけではないということが

イメージできたでしょうか?

力強さ一辺倒ではない筋力のイメージを、共有できたら何よりです。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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